次期「スカイライン」の姿!? 日産の新型「スポーティセダン」が話題に! “伝統のセダン”はEVになっちゃう? 今わかる“新スカイライン”実現性とは

インフィニティは2023年10月24日、バッテリーEVのコンセプトカー「ヴィジョンQe」を発表、2024年2月16日にはカナダ国際オートショー2024で国際ショー初デビューを飾りました。同車の流麗なセダンスタイルが、次期「スカイライン」を思わせるとして話題ですが、次期型スカイラインはどのようなモデルとなるのでしょうか。考察します。

次期型「スカイライン」どうなる?

 次世代「スカイライン」への期待が高まっています。現行モデルが発売されたのは、なんとちょうど10年前となる2014年2月のこと。 

 近年は1モデルの製品寿命がどんどんと伸びる傾向にありますが、さすがにメーカーの顔と言える歴史あるモデルを、放置しておくのにも限度はあるのではないでしょうか。

次期スカイラインの姿…? インフィニティの新型「ヴィジョンQe」
次期スカイラインの姿…? インフィニティの新型「ヴィジョンQe」

 また、日産の「スカイライン」は、海外市場ではインフィニティの主力セダン「Q50」として販売されています。

 この「Q50」という存在がある限り、日本国内のセダン市場が、どれだけ小さなものとなってしまっても、それとは関係なく、「スカイライン」はインフィニティの主力モデルとして次世代モデルに続くことが予想されます。

 そんな次世代スカイラインをめぐる考察の中で、大きなヒントとなるのが、昨年の10月に発表された「ビジョンQe」です。

 これは2025年に米国キャントン工場で生産される新型ピュアEVのデザインを示唆するコンセプト。流麗で伸びやかなフォルムを持つ、ファストバックスタイルのセダンです。

 真横から見ると、ホイールベースが非常に長いことがわかります。この長いホイールベースにバッテリーを搭載するのでしょう。

 そして、この「ビジョンQe」をベースにした量産新型ピュアEVが、次世代の「スカイライン」(インフィニティの「Q50」)になる可能性があります。

 電動化を強く推し進める日産の姿勢を示すという意味で、歴史がある「スカイライン」と、北米でも根強い人気を持つ「Q50」をピュアEVにするという手は、なかなかの妙案ではないでしょうか。

 もともと北米市場ではセダン人気が高く、それがテスラの躍進の理由のひとつとなっています。セダン型のEVであれば、北米市場では、ハッチバックのEV「リーフ」よりも売りやすいのは間違いないはずです。

 一方で、逆の予想もあります。それが、次世代「スカイライン(インフィニティQ50)」は、エンジン車、もしくはハイブリッドであるという予想です。

 その根拠は、インフィニティの新型「QX80」にあります。日産は「ビジョンQe」と、ほぼ同時期に「インフィニティ」のフラッグシップとなるラージSUV「QX80」の新型モデルを発表しました。

 驚いたことに、この新しい「QX80」のパワートレインには、最高出力450馬力を発生させる3.5リッターV6ツインターボ・エンジンが採用されていたのです。「インフィニティ」の主力モデルは、まだエンジン車を使っているというわけです。

 そうとなれば、次世代の「スカイライン」(インフィニティQ50)がエンジン車、もしくはハイブリッド車であってもおかしくはありません。

 アメリカ市場においてテスラと戦うよりも、旧来の「Q50」ユーザーに旧型から新型に乗り換えてもらうほうが、販売は容易なはずです。

 次世代「スカイライン」(インフィニティ Q50)が、ピュアEVになるのか、エンジン車/ハイブリッド車になるのかは不明です。

 しかし、ことデザイン面では、「ビジョンQe」が大きな手掛かりとなることでしょう。「ビジョンQe」のデザインの根底には「Sho」と呼ぶ、スピード感が存在しています。

 細かな部分は、当然、異なるはずですが、そのスピード感が、次世代「スカイライン」(インフィニティQ50)に反映される可能性は大きいはずです。

 スカイラインというモデルは、日産ファンにとって、いつの時代も「憧れの存在」でした。性能や品質だけでなく、そのデザインも、当然のように「憧れ」の理由となっていたのです。

 ですから、次世代のスカイラインも、ファンを納得させるだけのレベルの高い格好良さを備えていることが求められます。

 ファンの要求のハードルは高いものですが、日産の開発チームは、ぜひとも、それを軽々とクリアする、格好のよい次世代スカイラインを用意してほしいものです。

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Writer: 鈴木ケンイチ

1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。特にインタビューを得意とし、ユーザーやショップ・スタッフ、開発者などへの取材を数多く経験。モータースポーツは自身が楽しむ“遊び”として、ナンバー付きや耐久など草レースを中心に積極的に参加。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを、分かりやすく説明するように、日々努力している。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。

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