前走車の「エンジンブレーキ」は“ウザい”? AT全盛で知らない人多い!? 逆に「エンブレ」使わない方が危険なワケ

エンブレを使いすぎるとエンジンが壊れるのか?

 下り勾配が続く道などでエンジンブレーキを使わず、フットブレーキのみで減速をする運転はトラブルが発生することがあります。

「フットブレーキを頻繁に使っていると、パッドやローターが過熱して効きが悪化する『フェード現象』が発生したり、油圧式ブレーキのブレーキフルードが沸騰してしまい、ペダルを踏んでも踏み応えがなくなる『ベーパーロック現象』が起きる可能性があります。

 数年前に観光バスが横転した事故がありましたが、あれも勾配のある長距離をフットブレーキのみで速度調整していた結果、コントロール不能に陥ったと見られています」(教習所の元指導員 I氏)

 アクセルを緩める、またはギアを下げることで生じるエンジンの抵抗を活用するエンジンブレーキですが、フットブレーキとは違ってブレーキパッドなどを使わない代わりに、エンジンにそれなりの回転負荷をかけることになります。

下り坂はむしろ「エンブレ」使うべき!
下り坂はむしろ「エンブレ」使うべき!

 エンジンブレーキの多用によってエンジンを傷めてしまう心配はないのでしょうか。

「漫然とした『D』レンジ走行と比較して回転数が上がるため、エンジンブレーキ使用時は多少燃費が悪化する可能性はあります。

 しかし、5速から2速に落とすような極端な操作をしない限り、エンジンへの影響はほとんど心配する必要はないでしょう」(教習所の元指導員 I氏)

 なお、フットブレーキでの必需品であるブレーキフルードは、早ければ2年、長くても4年以内には交換が必要なものです。

「ブレーキフルードが劣化、または使い過ぎで気泡などが混じってしまうと、ペダルを踏んでも油圧が十分伝わらず、上手く制動できなくなることもあります。

 少なくとも2年おきの車検時に行う定期点検(24ヶ月点検)で『ブレーキフルード』の交換はしてほしいです」(教習所の元指導員 I氏)

※ ※ ※

 バッテリーEVやハイブリッド車で用いられる「回生ブレーキ」もエンジンブレーキと同様の効果を生み出す仕組みで、発電に再利用するシステムです。

 モーターは電力を消費して運動エネルギー(駆動力)を得るだけでなく、電気を生み出す発電機にもなります。

 発電機を回すエネルギーを減速させる抵抗として活用することで、アクセルを戻すことで発電機を回しつつ減速する、つまりエネルギーを「回生」させているのです。

 今後EV化がさらに進むなかで、今度は「回生ブレーキがウザい」などといわれるようになるのかもしれませんが、ブレーキの特性を理解して上手に活用して運転しましょう。

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Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ

2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

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