ホンダ「斬新ミニバン」存在! めちゃ「スタイリッシュボディ」にガラス張り天井採用! ド迫力“ガルウイングドア”装備の「スカイデッキ」とは
かつてホンダが発表したハイブリッドミニバンのコンセプトモデル「スカイデッキ」とはどのようなクルマなのでしょうか。
背の低いスタイリッシュボディに抜群の開放感
ホンダは、2040年までにすべての新車を電動車にすることをアナウンスしています。
そんなホンダですが15年前、2009年の時点でモーターとエンジンを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載したミニバンを、コンセプトカーとして発表していたのです。
2009年に開催された第41回「東京モーターショー」にホンダは「スカイデッキ」を出展しました。
詳細なスペックこそ明らかにされませんでしたが、心臓部にハイブリッドシステムを搭載した3列シートミニバンで、小型・軽量・高効率を追求したハイブリッドユニットは、センタートンネルに収納されているとアナウンスしていました。
また、ホンダ独自の低床・低重心パッケージを採用することで、ミニバンでありながらスポーティな走りを楽しむこともできることがアピールされていたことも特徴です。
2座×3列レイアウトの6人乗りとしたシートは、すべてのシートが座り心地を意識した軽量薄型スポーツシートとされていました。
特に後席シートにはさまざまなカラクリが仕掛けられました。
2列目シートはそれぞれ、運転席と助手席の下にスライドでき、さらに3列目シートは薄さを活かして床下にダイブダウンが可能。シートアレンジによってはゆとりの空間をさらに広く、ユーティリティに使うことができるようになっています。
そして「スカイデッキ」の車名からも分かるようにルーフ部分は解放感あふれるガラスルーフを採用していたことも大きな特徴です。
フロントガラスは1列目シートの上まで続く1枚物となっており、その後ろもBピラーを経て再びガラスルーフとなっているなど、圧倒的なグラスエリアを誇っていました。
さらに、ショーモデルらしくフロントドアはシザードア(通称、ガルウィング)とし、さらにスライドドアは斜め下方に沈み込むように開くなど、機能性と楽しさを備えたギミックも特徴と言えるでしょう。
ボディサイズは全長4620mm×全幅1750mm×全高1500mmと比較的コンパクト。幅広い年齢層や使い方に対応できるフレキシブルなクルマとなっていて、選ぶ人の世代やライフスタイルに縛られない自由度の高いモデルに仕上がっていました。
なお、残念ながらスカイデッキがそのまま市販化されることはありませんでした。
その一方で、ハイブリッドシステムを搭載した低床・低重心な3列シート車としては2013年に登場(日本発売は2015年から)した「ジェイド」が近いものとして存在します。
シザードアやスライドドアこそ採用されなかったものの、特徴的なテールランプなどはスカイデッキの意匠を受け継いでいると言えるかもしれません。
現在、ミニバンでは「背の高いモデル」が主流となっており、「背の低いミニバン」の元祖である「オデッセイ」も現行モデルでは同様に背の高いスタイルとなっていますが、かつての「ストリーム」のように1車種くらい背の低いスタイリッシュなミニバンがあってもいいのかもしれません。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。