トヨタが「すごいセンチュリー」実車初公開! まさかの「屋根ナシ仕様」は市販化も? 世界に1台「オープン」誕生のワケ
発表会でチラ見せしたセンチュリーオープンは「パレードカー」だった!?
2023年9月に行われた新型センチュリーの発表会では、新型センチュリーのオープンモデルが映像で先行公開されていました。
ユーザーの様々なオーダーに対応すると宣言した新型センチュリーを象徴するような大胆なスタイルチェンジに、当時SNSなどで大きな話題を呼んでいます。
新型センチュリーのデザインも担当したトヨタ自動車 MSデザイン部の主幹であるデザイナーの岡村 賢一氏は、次のように話します。
「映像でチラッと映し出されたセンチュリー オープンが当時話題となりましたが、実はこのパレードカーとしてデザインされたイメージスケッチでした。
(パレードカー製作が)急きょ決まったため、大急ぎでスケッチを描いたものです。
難しい挑戦でしたが、やりがいのあるデザインでした」
パレードカーは当初、新型クラウンで製作が進んでいたといいますが、豊田章男会長と懇意な宮城野親方(元横綱・白鵬)との会話の中で「やはりパレードカーに相応しいのはセンチュリーではないか」となったことをきっかけに、急きょ新型センチュリーをベース車に変更されたといいます。
後部に大きなラゲッジ部とテールゲートを持つSUVタイプの新型センチュリーをオープン化するにあたって、苦労した点はどこにあったのでしょうか。
「パレード用に高く配置されたシートをベストなポジションにパッケージしたうえで、後部に独立したトランク面を新設し、全体のバランスをとるのに苦労しました。
セダンタイプのセンチュリーオープンも既にあるので、こうしたセンチュリーのイメージを受け継ぐかたちでデザインしています」(岡村氏)
出来上がった新型センチュリー オープンは全く違和感がなく、非常にシンプルないで立ちに映りますが、古典的なオープンカースタイルをSUVボディで実現するため、細部まで注意が図られたようです。
開発も新型センチュリーのチームが担当しています。
トヨタ MS製品企画 ZS 主幹の石川 善基さんに、特に注力した点について聞きました。
「従来のパレードカーには、後席の乗員が身体を安定させるためにつかめるように無骨なパイプが配されていました。
しかしパレードの主役をキレイに見せたいとデザイナーと考え、座面や背面の位置を決めながら、パイプを止めてすっきりしたレイアウトにする一方で、シートサイドのフチを手すりのように掴めるような厚みに設計しています。
また、前席シートに直接装着できるシートベルトをトヨタ紡織と共同で開発したことで、本来ならシートベルトが備わるセンターピラー(車体中央の柱)部分をカットでき、すっきりしたベルトラインに仕上げました。
今回のお披露目で実際に芝田山親方(元横綱・大乃国)と宮城野親方が後席に座った姿を見て、実際に狙った通り『キレイに見える』と感じることができてうれしかったです」
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岡村氏によると、今回のモデルは純粋にパレード専用車としてデザインしたもので、幌などの要件は含めていないといいます。
「今後フルオーダーの仕組みがスタートし、お客様からオープンが欲しいという要望があれば、当然そこもしっかり検討したうえで実現させたいです」
市販モデル版の新型センチュリー オープンを見ることができるのはいつとなるのか、今後の展開にも大いに期待したいところです。
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