警察とのイタチごっこ状態!? ドリフト「見物客」多発で「展望デッキ」立入禁止! 話題の「大黒PA」なにがあった?
警察とギャラリーとのいたちごっこが続く? 現状は?
ギャラリーが集まるから派手なドリフト走行を行う、そのドリフトを見にまたギャラリーが集まる、この繰り返しによって違法ドリフトが拡大していったという事情もあります。
そこで、高いフェンスを設置してドリフトを見られないようにすることを目的に、2024年12月上旬に展望エリアの壁の上に大きなフェンスが設置されました。
これではドリフト走行を見ることはできません。ギャラリー抑制に「効果あり?」と大いに期待されました。
しかし、今度はもともとあった展望デッキの壁に登ってフェンスの上からドリフトを見るギャラリーが増え始めたと言います。
多い時にはフェンスに数十名がもたれかかる状態となり、想定されている荷重を上回ればフェンスが倒壊する恐れもありそうです。
そこで、神奈川県警と首都高はフェンス設置から約10日後にフェンス周辺にパイロンなどを置いて「立ち入り禁止」の措置を取りました。
たとえ場外でドリフトが行われていてもギャラリーがフェンスに近づけないようにしたのです。
ところが、なんとしてでもドリフトを見たいギャラリーは立ち入り禁止のパイロンや制限バーをあっさり乗り越えて、以前のように壁を上ってフェンスの上から見るようになりました。
実際に12月23日、24日の深夜にも多くのギャラリーが立ち入り禁止を乗り越えて集まっていた様子がSNSなどで報告されています。
この状態を危険と判断した神奈川県警と首都高が次に取った措置は展望デッキに上がるための階段を全面的に封鎖することでした。
以前の弱々しい立入禁止措置とは違って、今度は階段そのものをがっちりと封鎖してあるのでそもそも上に行くことができません。1月4日夜の状態がこの写真です。
考えてみれば「展望デッキ」といっても、展望が楽しめるベイブリッジやみなとみらいの夜景も大きな倉庫が建てられたことで見ることができません。そのため、階段から完全封鎖したところで大きな影響はなさそうです。
階段を上がれないようにすれば展望デッキにギャラリーが集まることもなくなるでしょう。それによって違法ドリフト走行も少なくなることが望まれます。
この1か月間はまさに神奈川県警、施設管理者である首都高とドリフトを見たいギャラリーの絵にかいたようないたちごっこが展開されました。
日本発祥のドリフトはいまやFIA公認のモータースポーツとして様々な競技が開催されるなど世界中で楽しまれています。
しかし公道で行われる違法なドリフト走行は各地で事故も多発し、無関係の一般車両が巻き込まれるケースもあり大変危険です。
なお、警察では違法ドリフトに関して首都高を周回するルーレット族などと同じ、「違法競走型」の暴走族として定義づけて取り締まりを行っています。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。