トヨタ「新型クラウンエステート」まもなく発売へ 新たな「トヨタ最上級SUV」は“他の3タイプ”とは別格!? どんな特徴がある?

荷室は「長さ」以外にも特徴がある?

 また、エステートの荷室にはほかのクラウンシリーズはもちろん、ステーションワゴンでもほぼ見かけない便利機能が備わっています。それが後席背もたれの裏側に組み込まれた可動式のフラップです。

 後席を畳んだ際に、そのフラップを開くことで運転席や助手席との背もたれとの間にある溝を埋め、前後長の長いフラットフロアを作り出せるというわけです。

 奥行きはなんと2mに迫るほどですから、ステーションワゴン的にたくさんの荷物を運ぶニーズにも十分こたえてくれるでしょう。これも荷物を運ぶクルマとしての理想を追求していることの証です。

 とにかく荷室が広い。現行クラウンシリーズのなかで最も多くの荷物を積むことができる。

 クラウンエステートは、ジャンルとしてはSUVであり純粋なステーションワゴンではありませんが、ステーションワゴンのように活用できるボディタイプなのです。

 開発担当者は、「かつてクラウンエステートといえばステーションワゴンだったが、昨今はステーションワゴンを選ぶ人が減ってSUVの時代だ。しかしステーションワゴンのように広い荷室を求めるニーズは感じているので、クラウンエステートを現代流に再定義したのです」と背景を説明します。

「クラウン」の名にふさわしい上質さに利便性の高い荷室を組み合わせる
「クラウン」の名にふさわしい上質さに利便性の高い荷室を組み合わせる

 そんなステーションワゴンの“現代流解釈”といえるクラウンエステートは、単に便利なクルマというだけでなく、ラゲッジルームの左右壁もカーペットで覆われた上質な作りとなっているのも見逃せません。

 トヨタはエステートに関して「大人の雰囲気で余裕のある走りを持つ機能的なSUV」としていますが、もしかすると「SUVとしてのクラウン」は軽快な運転感覚を求めて後席スペースまで割り切ったクラウンスポーツよりも、このエステートのほうが本命なのかもしれません。

 クラウンエステートは言うなれば、クラウンらしい快適性に加えて広い後席と広い荷室を備えた“トヨタ最上級のSUV”といって良さそうです。

 パワートレインは現時点では公表されていませんが、クラウンスポーツと同等の2.5リッターエンジンを組み合わせたハイブリッドを軸とし、プラグインハイブリッド(PHEV)も用意される可能性が高そうです。

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Writer: 工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。

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