日産の4人乗り「最上級セダン」がスゴかった! 超豪華“バブリー内装”にV8×4WD搭載! 斬新すぎる謎のクルマはなぜ市販化されなかった?
かつての東京モーターショーで、日産が披露していた最上級大型セダン「NEO-X」は市販化されなかったものの、極めて斬新かつハイテクな装備を搭載していました。どのようなモデルだったのでしょうか。
幻に終わった「日産フラッグシップセダン」とは
4ドアセダンはかつて人気のボディタイプでした。バブル景気の前後には、最新鋭の技術と強力なパワーユニット、豪華な内装をあしらった最高級モデルが数多く登場し、現在も名車として語り継がれるモデルがいくつもあります。
そんななかで、市販化していれば間違いなくフラッグシップとなっていたであろう“幻”のモデルが日産にはあったのです。一体どのようなクルマだったのでしょうか。
日産「NEO-X」は1989年に世界初公開された大型4ドアセダンのコンセプトモデルです。
平成最初の年、1989年10月26日から11月6日まで幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催された第28回「東京モーターショー」で初披露されました。
1989年はバブル景気の真っ只中であったため、トヨタ「セルシオ」や日産「スカイライン GT-R(BNR32)」、ホンダ「NSX」、マツダ「ユーノスロードスター(NA)」などをはじめ、コストを度外視した数多くの“名車”が登場した年でもあります。
第28回東京モーターショーでは、開催地を東京・晴海から千葉市美浜区の幕張メッセへと変更。来場者数、報道関係者数も過去最高の数字を記録するなど、熱がこもった回となりました。
日産では、5台のコンセプトカーを含む計24台の参考出品車および17台の市販車を展示。そのなかの1台がNEO-Xだったのです。
NEO-Xのコンセプトは「人に優しい知的高性能セダン」だといいます。
単なる機能主義を超えた日本人の美意識と優しさを表現したデザインや、人の判断領域にまで踏み込んで人をサポートする統合制御システムなどにより、人とクルマの新しい関係を追求したと、当時は説明されていました。
デザインは、「世界で通用する普遍性や新しい共感の創造を目指した」といい、エクステリアは長い全長と低い全高によりエレガントで伸びやかな印象を与えつつ、近未来感のある角が取れた曲線的なデザインとしました。
フロントフェイスはスリット形状の薄く長いフロントグリルに小型のヘッドライトを装備。シンプルかつクリーンなものとなっています。
ボディサイドには凹凸がなく、ドアハンドルは最新鋭の電動格納式を採用。Bピラーはなく、クーペのような流麗さを感じさせます。
リアはフロントやサイドとは対照的で面が強調されており、真一文字のテールランプや縦型のウインカーレンズを組み合わせる斬新なデザインです。
インテリアは、シートだけでなくインパネやコンソールなどもベージュのレザーを採用。当時は画期的だったシフトバイワイヤー方式のシフトレバーがステアリングに設けられています。
シートはバケットタイプですが、ソファのような滑らかな仕立てとなっており、後席は左右が独立した2座と4人乗り仕様です。
後席中央には大型コンソールが装備され、スイッチ類を集約。ルーフは全面液晶ガラスとなっており、スイッチ操作で遮光・採光を切り替えることが可能だといいます。
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