トヨタ新型「クラウン」に新シリーズ登場! 新型「セダン/スポーツ」は「クロスオーバー」とどう違う!? 異なるキャラクターとは
新型クラウンセダン・FCEVモデルが燃料電池車の「谷」を越えた!?
そして、3台目がセダン・FCEVです。
ハンドリング、乗り味、加速感、減速感、静粛性など、クルマとしての完成度の高さに対して感銘を受けました。
走り味をひと言で表現すれば「切れ味が良い」のです。
トヨタやレクサスが目指す、「WOW(ワオ)」がまさに具現化されたクルマ。
FCEVの2代目MIRAI(ミライ)をベースに、トヨタの車両開発技術の知見を結集して実現した“逸品”です。
筆者は2000年代から世界各地でさまざまな燃料電池車を取材してきましたが、燃料電池車は研究開発・初期導入期から本格普及期に移行できない状況が続いてきました。
これを一般的に「死の谷」と呼びます。
2代目MIRAIも実質的に死の谷は超えておらず、そのため直近での同車のリセールバリュー(下取り価格)はけっして高いとは言えない状況です。
そうした、燃料電池車の死の谷を、「ついにクラウンセダン・FCEVが超えた!」と実感できる試乗になりました。
同モデルは、FCEVという括りだけではなく、EV(電動車)という大きなカテゴリーの中で見ても、走りの完成度、製品としての質感、コストパフォーマンスの総合評価として「世界のトップ」と言っても過言ではないでしょう。
需要としては、霞が関の官公庁や全国の自治体など向けのB2G(ビジネス・トゥ・ガバメント)や、企業のエグゼクティブ向け車両車としてのB2B(ビジネス・トゥ・ビジネス)は当然伸びるとして、さらに富裕層を対象としたB2C(ビジネス・トゥ・コンシューマ)向けとしても広い世代で人気が出るでしょう。
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このように、セダンとスポーツが加わったクラウンは、まさに「クラウン群」というさまざまなキャラを持ったクルマたちによる、トヨタ独自のブランド戦略であることが分かります。
今後、エステートのみならず、第五、第六のさらなるクラウン群の仲間が登場することも期待したいところです。
[編集部注記:文字の一部に誤りがあったため、2023年12月10日に本文の一部を修正しました]
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
カムリファミリーが増えるよやったね