アンダー130万円! ダイハツの最安「丸目コンパクトカー」19年の歴史に幕! トヨタとの協力で誕生した「ブーン」生産終了へ

ダイハツは、2023年12月中旬をもってコンパクトカー「ブーン」の生産を終了すると発表しました。

ダイハツのベーシックな「コンパクトカー」生産終了

 ダイハツはベーシックなコンパクトカー「ブーン」の生産について、2023年12月中旬をもって終了すると発表しました。
 
 今回発表のあったブーンとは、一体どのようなモデルだったのでしょうか。

デザインも魅力だったダイハツ「ブーン」ついに生産終了
デザインも魅力だったダイハツ「ブーン」ついに生産終了

 初代ブーンは、ダイハツとトヨタの初めての共同開発車として2004年に発売。

 両社の強みを活かすべく、ダイハツが軽自動車で培ってきた開発技術や生産ノウハウとトヨタの企画力を組み合わせた小型車として誕生し、トヨタには「パッソ」の名でOEM供給されました。

 この初代ブーンとパッソは車名バッジとエンブレムのみの違いでしたが、実は少々キャラクター性が異なっていました。

 当時軽自動車は販売の主体であったダイハツではブーンは「上級モデル」という位置づけで、一方フルラインメーカーのトヨタでは「入門モデル」という扱い。

 これについて両社は、「軽乗用車とコンパクトカーの交差する市場を狙う」と説明していました。

 今回生産終了が報じられた現行ブーンは、2016年に発売した3代目で、こちらは企画から生産までダイハツ主体で展開されたモデルです。

 女性目線でのクルマ造りに取り組みつつも、スマートかつ上質な質感によって幅広いユーザーからの支持を獲得。

 また、スタンダードモデルのブーンの以外にもフェイスデザインの異なる「ブーン シルク」や「ブーン スタイル」をラインナップしたことで、好みのタイプが選べる点も高く評価されました。

 しかし、クルマの電動化が急速に進む現在にあってもハイブリッド仕様やEV仕様の設定されないブーンは、激化するコンパクトカー市場で存在感を示すのが徐々に難しくなります。

 くわえて同じダイハツの小型車ラインナップにおいては、利便性の高い両側スライドドアを装備する小型ハイトワゴン「トール」が人気を集めたこと、さらに同価格帯で装備が充実した軽自動車の各モデルで人気が一層高まったことなど、様々な要因が相まって、ブーンの販売台数はさらに減少。

 2023年9月にはトヨタがパッソの生産終了を発表したことから、ブーンについても近いうちに生産が終了するのではないかと予想されていました。

 ダイハツはブーンの今後の販売について、販売店での在庫が無くなり次第販売を終了すると発表。

 たとえ販売店在庫がある場合でも、ボディカラーやグレード、オプションなどを希望通り組み合わせることが出来ない可能性もあるといい、詳しくは販売店に連絡するよう案内しています。

※ ※ ※

 ブーンは普通車でありながら車両価格(消費税抜)が127万5000円からと、日本国内で販売されるコンパクトカーにおいて最も手を出しやすい価格を実現していた、経済的にもユーザーフレンドリーなモデルでした。

 現在では、比較的安価である点が特徴だった軽自動車でも、新車価格が200万円近いモデルも珍しくないなかで、このブーンの価格には目を見張る物があり、SNSでは同車のようなベーシックモデルが消滅することを残念がる声や、ダイハツに後継モデルを望む声も投稿されています。

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