ビッグモーターが説明ナシで「冠水車」を販売! 判決は「販売代金」の支払い命じる! ずさんな対応で何があったのか

2023年9月20日にビッグモーターが「冠水車ということを説明せずに販売した」として、クルマの販売代金の返還を求めた裁判が行われました。どのような経緯があったのでしょうか。

ビッグモーターで買ったクルマが実は冠水車だった!? ひどい対応に前橋地裁が下した判決とは

 ビッグモーターが「冠水車ということを説明せずに販売した」として、2023年9月20日にクルマの販売代金の返還を求めた裁判が行われました。
 
 判決はビッグモーター側がクルマの販売代金を支払うよう命じられましたが、どのような経緯があったのでしょうか。

ビッグモーターが「事故歴ナシ」として冠水車の説明ナシで販売! どのような経緯があったのか?(画像はビッグモーター館林店とは別の店舗)
ビッグモーターが「事故歴ナシ」として冠水車の説明ナシで販売! どのような経緯があったのか?(画像はビッグモーター館林店とは別の店舗)

 近年、ゲリラ豪雨や台風、高潮による大雨で多くの水害が発生している日本では年間で数万台規模の「冠水車」(水没車)が出ることも珍しくありません。

 フロアやエンジンまで浸水すると修理代は数百万円に及ぶこともあるため車両保険に入っている車両であれば全損扱いとなり、多くの場合は満額の保険金が契約者に支払われることになります。

 その後、全損扱いの冠水車は保険会社が引き上げて廃車にするか、冠水車として中古車オークションに出品される、もしくは海外に輸出されています。

 輸出先として多いのがロシアで冠水車専門の修理業者が数か月かけて修復し、市場で販売されています。

 購入者は日本で冠水した車両だということを理解して購入しますが、安価で満足度の高い修理済み冠水車は非常に高い人気があるようです。

 日本で冠水車を販売することは違法なことではありませんが、その際は必ず冠水車であることを告知する義務があります。

 告知せずに販売し後に冠水車であることが発覚すれば販売店はそのクルマを引取り、契約を解除する義務があることが自動車公正競争規約にて定められています。

ーーー
 1.「冠水車」である旨の表示・説明がなかったため、「冠水車」であることを知らずに契約した消費者は、錯誤による契約の取消しを求めることができます。(民法95条)

 2.虚偽の表示・説明をする等、「冠水車」であることを販売店が故意に隠していたときは、詐欺による契約の取消しを求めることができます。(民法96条)

 3.販売店から「冠水車」ではないとの虚偽の表示・説明をされた場合や、「冠水車」である旨の表示・説明がなかったことにより、消費者が「冠水車」ではないと誤認をして契約結んだ場合、当該契約の取消しを求めることができます。(消費者契約法4条)
ーーー

 なお、2023年4月には自動車公正競争規約が改正されており、規約違反措置基準に「冠水車」に関する不当表示に対する厳罰規定を新設。

 初回から「厳重警告」を行い、悪質なものは併せて「違約金」を課す」とされています。

※ ※ ※

 そうした中で、2019年にビッグモーター館林店でホンダ「シャトル」を購入し、その後、冠水車であることが判明。

 購入代金などの返金を求めて裁判を起こした群馬県内の男性Aさんの場合は、上記の3.に該当します。

 契約時、冠水車であることの説明は全くありませんでした。どの様にして冠水車とわかり、そして裁判を起こすことになったのでしょうか。

購入から2年近くたって冠水車であることが分かったAさんのシャトル
購入から2年近くたって冠水車であることが分かったAさんのシャトル

 Aさんがシャトルを購入したのは2019年1月のこと。

 走行距離わずか1500kmで初度登録から半年しか経過しておらずほぼ新車同様の状態でした。

 その後、約1年8か月は問題なく乗っていましたが、ある時もらい事故で損傷してしまい、Aさんは修理のためにシャトルを板金工場に入庫します。

 修理後、板金工場から「バックができなくなっている」と指摘を受けたAさんは原因究明のためにホンダのディーラーで見てもらったところ、冠水車であることがわかりました。

 驚いたAさんでしたが、契約時に「最長10年間か10万kmの保証」を付けていたことから、当然保証がされると考えて冠水車であることを店に申し出ました。
 
 しかし、ビックモーター館林店の対応は意外なものでした。

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3件のコメント

  1. こういう事案が横行しているのであればSNSで拡散されている筈なのに、どうして利用者(被害者)が泣き寝入りを続けていたんでしょうかね?。
    大手が言うからと信じてしまう初心者が被害者のほぼ全てで、疑って掛かる人は最初からビックモーターやネクステージのような全国チェーンの中古車販売会社など相手にしないって事なんでしょうか。
    それともビックモーターでは「客を言いくるめるテクニックのマニュアル」ってものがあるんでしょうかね。それに、内部告発が明るみに出るのも遅すぎ。社員はパワハラに依る洗脳を受けていたとも思える。

  2. 台風で水没した車大量に洗ってましたよ、栃木市ビックモーターの在庫 その他何百台宇都宮に持ってきて車内高圧洗浄で出しちゃうんですよ。
    作業していたものは 罪の意識感じた と言ってました。
    下請け会社から泥だらけのチャイルドシートや室内のごみ処分の依頼が来て関連会社に振りました。

  3. 軽い水没車なら室内清掃して他県で普通に中古車として売られてる・・少し程度の酷いのは海外に。
    最近はビックモーターにかわり悪名高きガリバーのコマーシャルが増えてきた。
    あそこもいろいろ叩かれてたがまだマシか?。
    それほど大手中古車は闇深い・・買うならまだディーラーの方が安心。

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