なぜ軽の「64馬力規制」は続く? 軽EV登場でトルクは小型車並み! 一方最高出力の「自主規制」は残る理由とは
2022年5月に登場した日産「サクラ」と三菱「eKクロス EV」は、これまでの軽自動車にはない性格を持っている一方で、最高出力は「64馬力規制」を意識したものとなっています。そこにはどのような背景があるのでしょうか。
軽BEVにも影響を与え続ける「64馬力規制」とは?
軽自動車には昔から自主規制として最高出力を「64馬力まで」とするものが存在します。
そのため2022年5月に登場した日産「サクラ」と三菱「eKクロスEV」においても最大トルクはコンパクトカー並みながら最高出力は64馬力以下となっているのです。
なぜ現在においても最高出力は「64馬力規制」が存在するのでしょうか。
サクラとeKクロスEVは、これまでの軽自動車にはない性格を持っている一方で、最高出力は「64馬力規制」を意識したものとなっています。
現在販売されている軽自動車のスペックを見ると、多くのモデルが「全長3400mm以下」「全幅1480mm以下」「全高2000mm以下」「排気量660cc以下」「定員4名以下」「貨物積載量350kg以下」、そして「最高出力64馬力以下」となっていることがわかります。
これは、軽自動車という規格自体が道路運送車両法によって規定されているためですが、正確に言えば「最高出力64馬力以下」については法律で規定されたものではなく、あくまで自動車メーカー間の自主規制によるものです。
こうした自主規制がおこなわれるようになった背景は、1980年代に軽自動車ブームが到来したことと大きく関係しています。
当時、自動車メーカー同士の競争が激化したことでよりハイパワーな軽自動車が登場するようになったものの、行き過ぎたパワーは交通違反や交通事故の増加を招くおそれがあるとして、最高出力に一定の制限を設けることになりました。
その際、1987年に発売されたスズキ「アルトワークス」が当時最もハイパワーな軽自動車であったことから、64馬力が上限とされました。
現在、この自主規制が実施されるようになってから30年以上が経過していますが、その間ごく一部の例外をのぞいて、64馬力を超える軽自動車が登場することはありませんでした。
一方、ここ数年で軽自動車にも電動化の波が訪れています。
前述のサクラ/eKクロスEVは、発売直後から好調な売れ行きを記録するなど、日本におけるBEV普及の立役者となることが期待されています。
ただ、そのサクラ/eKクロスEVのスペックを見ると、いずれも最高出力は64馬力となっています。
BEVの最高出力は、バッテリーマネジメントシステムの調整によって比較的容易に調整が可能であるとされていますが、それでもサクラ/eKクロスEVの最高出力が64馬力となっているのは、やはり自主規制の影響と考えられます。
実際、自主規制の影響を受けない最大トルクについては、サクラ/eKクロスEVは一般的な軽自動車の2倍程度となっています。
革新的な軽自動車として高い評価を得ているサクラ/eKクロスEVですが、自主規制を打ち破ることはできなかったのでしょうか。
単純に考えて軽規格の車体では事故ったときのことを考えると、あまりパワーのある車は危険って感じじゃないかと。
軽だと最高速度よりも発進時のスムーズな加速と登坂性能がもうちょっと欲しいってくらいでしょ。のんびり乗りたいけど、燃費を考えると少し踏みすぎるって感じかな。トルク無いんで。