車に「鉄粉」が刺さる? 線路沿いは要注意! 放置するとボディがサビることも… 除去方法は?
クルマのボディ表面がザラついている場合、鉄粉が刺さっているといいます。なぜ刺さるのでしょうか。またその状態を放置するとボディに悪影響はあるのでしょうか。
クルマに「鉄粉」なぜ刺さる? 放っておくとサビることも
洗車後、拭き上げたボディの表面を触るとザラザラした感触が残っていることがあります。これは塗装面に刺さった鉄粉だといわれています。
なぜ、鉄粉がクルマのボディ(塗装面)に刺さるのでしょうか。
空気中にはさまざまな物質が漂っています。そんななかでもクルマのボディに良くないといわれているのが鉄粉です。
これはクルマから出る「ブレーキダスト」が主な原因とされており、ブレーキの構造上、ブレーキパッド(シュー)と呼ばれる鉄製のパーツをブレーキローター(ドラム)に押しつけて摩擦力を制動力としており、そこで削られた鉄粉が出るようになっているのです。
このため、鉄粉を出さないようにすることがそもそも難しいといえます。特に、交通量の多い幹線道路の周辺には大量の「ブレーキダスト=鉄粉」が浮遊、ボディの塗装面に刺さるような形で付着していきます。
同様に、鉄道の高架下や線路付近なども列車が通るたびにレールと車輪が削られ、鉄粉が浮遊しやすく、さらにその周辺が保管場所であれば大量の鉄粉がボディに付着してしまいます。
神奈川県のH整備士は以下のように話します。
「クルマの塗装面はクリア層など何層かになっているのですが、浮遊する鉄粉よりも柔らかいのです。そのため、空気中に浮遊した鉄粉が雨などに濡れて酸化してしまい、塗装面に刺さってしまうんです」
チェック方法として、タバコやお菓子などのシュリンク(薄いフィルム)包装のセロファンを使う方法。指を通しボディ表面をなでるように触ってみると、かなりザラザラしているのがわかります。
これは洗車では落ちないのでしょうか。また放置すると悪影響はあるのでしょうか。
「表面に乗っているだけの汚れはある程度洗い流せるのですが、やはり刺さってしまった鉄粉はそれ用の処置をしないと除去しにくいでしょうね」(H整備士)
ボディ表面に刺さりザラザラしている程度はまだ軽傷で、ひどくなると毛穴のように小さな穴が塗装面に開いてしまうことも。そうなるまで放置していると、確実に悪影響が出る可能性もあります。
「この『鉄粉が刺さる』というのは、ブレーキダストなどで発生した酸化鉄が塗装表面に食い込んだ状態のことです。
酸化、つまり錆びた鉄が表面に食い込んでしまっているのですから、そのまま放置すると塗装面を傷つけるだけでなく、奥に入り込み実際の鉄板にまで侵食して、塗装面の内側から錆が発生してしまうこともあります」
クルマは塗装面の内側が錆びてしまうと、表面を削ってからさらに錆を取り、再塗装までしないといけなくなるケースもあります。
そうなる前に表面の鉄粉を除去し、塗装面を守ってあげる必要があるのです。
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