国産車のメーター表示「180キロ」なぜ? 法定速度より出せる理由は? 海外では速度引き下げの動きも

日本の道路は普通車の場合、一般道60km/h、高速道100km/h(一部で120km/h)という法定速度が決まっています。しかし、クルマのスピードメーターを見ると180km/hまで表示できる場合が多いですが、なぜ法定速度以上の数値が表示されているのでしょうか。

メーターは180km/hまで表示されているのに…一般道の法定速度が60km/hなのはどうして?

 日本車のスピードメーターは180km/hまで表示できる場合が多いです。
 
 しかしながら、日本の法定速度は一部の高速道路でも最高で120km/hと定められており、スピードメーターよりも低く設定されています。ではなぜ180km/hに設定されているのでしょうか。

なぜ日本車のスピードメーターは180km/h表示なのか?
なぜ日本車のスピードメーターは180km/h表示なのか?

 日本の道路交通法では速度制限標識がない道路を走行した場合、車両ごとに法定速度が定められています。

 普通自動車の法定速度は、一般道を走行した場合で60km/hです。

 また高速道路の最高速度は100km/h、最低速度は50km/hと定められています。

 最高速度で走行できる場所は、高速自動車国道の本線車道や加速車線、減速車線を走行した場合に限られています。

 1963年に名神高速道路の一部が開通して以降、約半世紀に渡り、高速道路の最高速度は100km/hと定められていました。

 しかし国では制限速度を見直す議論が行われて、2019年3月から新東名高速道路と東北自動車道の一部区間で試験的に制限速度が120km/hまで引き上げられました。

 その背景には、比較的渋滞の発生が少ないことに加え、死傷事故や1km当たりの交通事故率が低いことなどが理由となっています。

 同様に、東北自動車道の起点である川口JCTから宇都宮IC間も2017年から段階的に最高速度が引き上げられ、2020年に最高速度が120km/hとなっています。

 なお、東関東自動車道(千葉県)の一部でも、最高速度110km/hへの引き上げをおこなっており、試験運用ののちに120km/hに引き上げています。

 日本の最高法定速度は120km/hになりますが、日本自動車工業会に参加している国内メーカーは、スピードメーターの制限を180km/hで統一しています。

 日本自動車工業会の担当者は「180km/hの表記は自工会によるものではなく各個社の判断による表記です」と話します。

 それでは、なぜメーカーは日本の道路交通法では法定速度が60km/h、高速道度でも100km/hもしくは120km/hと定められているのに、180km/hまで表示される設計になっているのでしょうか。

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