ホンダは最上級ミニバン「オデッセイ」の先行受注を2023年9月7日に開始し、2023年冬に発売します。
　
　同時に公式サイトも更新され、グレードや装備のほか、4つのボディカラーが明らかになりました。

　1994年にデビューしたオデッセイは、広い空間にセダン並みの快適性能や走行性能を両立し、背の低いスタイリッシュなデザインを採用したことが支持され、瞬く間に人気ミニバンとなりました。

　最新モデルは5代目で、2013年11月に登場。歴代モデルに共通する乗り心地・走行性能はそのままに、立体駐車場に収めるために低く維持されていた全高が拡大され、新たに両側スライドドアを装備しました。

　さらに、堂々としたフロントフェイスや、オットマンとシートバック中折れ機能を持たせた2列目シート「プレミアムクレードルシート」を採用するなど、上級クラスミニバンへとなりました。

　その後、2モーターハイブリッドモデル（のちに「e：HEV」という名称を使用）を追加するなど改良を実施したほか、2020年11月にはデザイン変更を含む大規模な刷新を実施しました。

　力強い印象の新デザイン採用に加え、インテリアの質感の向上、先進運転支援「ホンダ センシング」の機能なども高めています。

　しかし、改良実施から1年ほどで生産を終了。オデッセイの製造を担当していた狭山工場の閉鎖を理由としましたが、多くのユーザーからオデッセイの終了を悲しむ声が聞かれていました。

　販売現場からも復活を強く希望する声があったことなどから、ホンダは2023年4月にオデッセイの再投入を明らかにし、中国で現地生産されている改良型を輸入販売することを決定。

　ラインナップは2モーターハイブリッドのe：HEVのみとなり、グレードはベーシックな「e：HEV ABSOLUTE（以下アブソルート）」、中級モデル「e：HEV ABSOLUTE EX（以下アブソルートEX）」、各部にブラック加飾を装備する最上級モデル「e：HEV ABSOLUTE EX BLACK EDITION（以下ブラックエディション）」の計3タイプを設定します。

　新モデルでは内外装ともに一部が変更され、エクステリアは横バーが5本になった新デザインのフロントグリルを採用するほか、スモークのテールランプを採用し、精悍な表情に一新。

　ボディカラーは4つで、国内生産モデルで設定されていた「プラチナホワイト・パール」「プレミアムヴィーナスブラック・パール」に加え、新色「メテオロイドグレー・メタリック」「フォーマルブラック」が追加されました。

　このうち、メテオロイドグレー・メタリックはアブソルートEXでのみ選択可能です。

　インテリアはブラックのみの設定ですが、アブソルートEX・ブラックエディションでは本革シートが標準装備され、国内生産モデルよりも豪華な仕上がりとなりました。

　また、シフトレバーとして新たにエレクトリックギアセレクター（ボタン式電制シフト）を装備したほか、回生ブレーキの効きを選択できる減速セレクタ―、ドライブモードスイッチが追加となっています。

　オデッセイの特徴でもあるプレミアムクレードルシートも進化しており、パワーシートになったことに加え、折りたたみ式のセンターテーブルとシートヒーターを装備しました。

　このほか、ホンダ センシングに近距離衝突軽減ブレーキ、オートハイビーム、急アクセル抑制機能（オプション）が追加され、安全性能の刷新も図っています。

　価格は正式に発表されていませんが、都内のホンダ販売店の説明によれば、アブソルートが480万円、アブソルートEXが500万円、ブラックエディションが516万4000円に設定されるとのこと。

　なお、正式発売は2023年冬を予定しており、具体的な時期に関してはまだ明らかにされていません。