なぜトヨタの「コンパクトなセダン」に“リムジン”設定!? アンダー210万円の“謎リムジン”「コロナ スーパールーミー」とは

「リムジン」と聞くと、車体が伸ばされたセダンで、要人が使うものというイメージがあります。しかしかつて、ファミリーセダンのトヨタ「コロナ」に「スーパールーミー」というセダンがありました。どのようなクルマだったのでしょうか。

なぜファミリーカーの「コロナ」にストレッチ・リムジンを設定?

 では、なぜコロナにこのようなストレッチ・リムジンが用意されたのでしょうか。

 コロナはミドルクラスのファミリーカーです。中堅車種として装備は豊富に用意され、高品質を謳っていたものの、高級車ではありませんので、コロナのストレッチ・リムジンという存在には、不思議な印象があります。

「コロナ スーパールーミー」の後席。足元空間の広さがわかるが、基本的にはノーマルのコロナの内装を踏襲
「コロナ スーパールーミー」の後席。足元空間の広さがわかるが、基本的にはノーマルのコロナの内装を踏襲

 当時の専用カタログには、「お隣のコロナより、うちのは大きい」「特別の広さです。ちょっとない豪華さです」「後席でゆったりと足が組める余裕の、のびのびサイズ」などのキャッチコピーが踊ります。

 そこからコンセプトを察するに、コロナ スーパールーミーは、コロナを購入する層に向けた、「広くて、ちょっと贅沢で、ステータスがあるコロナ」という提案だったのではないでしょうか。

 重要な区切りを記念した限定車の中でも、ストレッチ・リムジンという特別仕様車は、過去に例がないほど格別なスペシャル感があります。

 そして当時は「面白そうだから出してみよう」と、次々と変わったコンセプトのクルマが登場したバブル期だったことも、コロナ スーパールーミーを生み出すことができた理由といえるでしょう。

 近年の新型車の多くは、売れ筋ジャンルに固定され気味です。開発費をかけてまで冒険をする、ということは少なくなりました。

 そのためコロナ スーパールーミーのような変わったモデルはもう、登場しないのかもしれません。時代が生んだ個性派セダンとして、長く記憶に留めておきたいクルマです。

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Writer: 遠藤イヅル

1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター・ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持ち、コピックマーカーで描くアナログイラスト、実用車や商用車・中古車、知られざるクルマの記事を得意とする。

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