なぜ「無断駐車」は勝手に対処出来ない? 「自力救済禁止」って…可能な予防法は? 過去には認められた例も!

自分の駐車場に知らないクルマが無断駐車していた場合、勝手に動かすといった「自力救済」は原則禁止されています。では、これまでに自力救済が認められたケースはあるのでしょうか。

無断駐車されても勝手に動かすと…罰則対象になる?

 自分の駐車場に知らないクルマが無断駐車していた場合、勝手に動かすといった「自力救済」は原則禁止されています。
  
 では、これまでに自力救済が認められたケースはあるのでしょうか。

自分の駐車枠に無断で駐車された場合でも進路を塞ぐなど勝手な対処はしてはいけない(画像はイメージ)
自分の駐車枠に無断で駐車された場合でも進路を塞ぐなど勝手な対処はしてはいけない(画像はイメージ)

 SNSなどで度々話題となる私有地や契約駐車場などにおける無断駐車トラブル。
 
 2022年1月末には神奈川県横浜市の横浜地方裁判所(横浜地裁)の庁舎出口前に数日間にわたって、1台のクルマが放置されていたことが話題となりました。

 無断駐車は、たまたま駐車区画を間違えている、駐車できる場所と思い込んでいるなど故意ではないケースもあります。

 しかし中には「ちょっとくらいの時間ならバレない」「普段クルマが駐車されていないから大丈夫だろう」というように無断駐車と知りながら停めているケースも散見されます。

 無断駐車をされた側は、自分のクルマが駐車できないため急遽コインパーキングを探す羽目になったり、そのせいで余計なお金がかかったりと非常に腹立たしい思いをします。

 しかし残念ながら、被害者が無断駐車のクルマをレッカー移動する、損害賠償を支払わせるためにタイヤをロックして動かせなくするといった「自力救済」は原則禁止されているのが現状です。

 では、これまでに自力救済が認められたケースはあるのでしょうか。

 そもそも自力救済は自救行為ともいい、法律上の手続きをとらずに、自分で侵害された権利や被害の回復を図ることをいいます。

 具体例としては前述のレッカー移動やタイヤロックのほか、盗まれた自転車を街で見つけて自分で持って帰る行為などが挙げられます。

 勝手にレッカー移動やタイヤロックをすると、逆に無断駐車をしたドライバーからクルマの損傷や使用できなくなったことについての損害賠償を請求されるおそれがあるため、注意しなければいけません。

 現在の法律では被害を受けた側に不利といえる内容で到底納得できませんが、自力救済を認めてしまうと個人が暴力行為によって権利を回復するなど、社会秩序が乱れる可能性があるため、きちんと法的な手続きをとる必要があるのです。

 自力救済の禁止に関しては、1965年(昭和40年)12月7日の最高裁判所判決で以下のように述べられています。

「私力の行使は、原則として法の禁止するところであるが、法律に定める手続によったのでは、権利に対する違法な侵害に対抗して現状を維持することが不可能又は著しく困難であると認められる緊急やむを得ない特別の事情が存する場合においてのみ、その必要の限度を超えない範囲内で、例外的に許されるものと解することを妨げない」

 つまり、よほどの事情がなければ基本的には自力救済が認められないということです。

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2件のコメント

  1. 法律って本当におかしな部分があるよな。
    こんなの違法駐車したもん勝ちの感じがするわ。
    意味が分からない。

  2. 日本の司法は悪い奴を守るようにできているので、被害者が我慢するしかない。ほんとクソみたいな国だ。

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