世界初公開! トヨタの新しい「ランドクルーザー250」が凄い! 「プラドじゃない」 250系とは何なのか?

トヨタは「ランドクルーザー“250”シリーズ」を世界初公開しました。従来の「ランドクルーザープラド」と大きく路線変更された新型を比較します。

「原点回帰」でキャラクターを一新した新型「ランクル250」

 2023年8月2日、トヨタは新型「ランドクルーザー“250”シリーズ」を世界初公開しました。従来の「ランドクルーザープラド」に代わるニューモデルです。
 
 車名の変更ばかりではない、新旧モデルの進化ポイントについて比較します。

イメージ一新! 名前も新たに生まれ変わった新型「ランクル250」とはどんなクルマ!?[右は新型「ランドクルーザー250」(丸形ヘッドランプ仕様)/右は現行型「ランドクルーザープラド」]
イメージ一新! 名前も新たに生まれ変わった新型「ランクル250」とはどんなクルマ!?[右は新型「ランドクルーザー250」(丸形ヘッドランプ仕様)/右は現行型「ランドクルーザープラド」]

 ランドクルーザーは、1951年に登場した四輪駆動車「トヨタ BJ型」から始まった、72年の長い歴史を持つブランドです。

 進化の過程で様々なシリーズが派生しており、フラッグシップの「ステーションワゴン」タイプは「ランドクルーザー」に、悪路走破性と耐久性を重視した「ヘビーデューティ」タイプは「ランドクルーザー70」に、そしてその中間に位置する「ライトデューティ」タイプは、ミッドサイズの「ランドクルーザープラド」(以下、ランクルプラド)に分化しました。

 世界約170の国と地域で、現在までに累計1130万台のランドクルーザーシリーズが販売されているといいます。

 最初のランクルプラドは、1984年登場のランドクルーザー70のワゴンタイプとして派生したものが発端で、1990年のマイナーチェンジ時に初めてプラドのサブネームがついています。

 1996年に実施された初のフルモデルチェンジで2代目となり、ランドクルーザーシリーズとは異なるパワートレインやフレームを採用する独立車種となりました。

 当時ヒット作となっていた三菱の四輪駆動車「パジェロ」(2代目・1991年登場)のライバル車として、2代目ランクルプラドは早くも支持を集めています。

 その後2002年に3代目、そして2009年には現行型の4代目ランクルプラドが7年ぶりに登場しました。

 4代目の国内向けモデルでは、従来まであった3ドアタイプが廃止され5ドアワゴンのみの設定となったほか、フレームの改良やボディ剛性の強化、前後スタビライザーの作動を制御するキネティックダイナミックサスペンションシステム(KDSS)やクロールコントロールを採用し、舗装路での走行安定性と悪路走破性を両立させています。

 ガソリンエンジン車に加え、2015年には2.8リッター直列4気筒ディーゼルターボエンジン車も追加。

 2017年にはマイナーチェンジを実施し先進運転支援機能「トヨタセーフティセンス」を全車標準装備化したほか、その後も細部の改良を実施し続け、14年にわたって根強い支持を集め続けました。

 このランクルプラドに代わる後継モデルとして今回世界初公開されたのが、新型「ランドクルーザー“250”シリーズ」(以下、ランクル250)です。

 日本では、2024年前半の発売を予定しているといい、今回発表されたのはプロトタイプモデルとなります。

 新型の開発に際しトヨタでは、代を重ねるごとに高級、豪華に進化してきたランクルプラド(ライトデューティ系)の路線をあらため、開発コンセプトに「原点回帰」を掲げました。

 具体的には「質実剛健を追求し、お客様の生活と実用を支え、お客様に信頼されるクルマ」だと説明します。

 こうして新型ランクル250は、ランクルシリーズの中核モデルとして「ランクルを作り直す精神で開発が進められた」といいます。

 プラットフォームには、2021年に発売されたフラッグシップモデルの「ランドクルーザー300」(ランクル300)で採用された最新のフルフレーム式「GA-Fプラットフォーム」を使用し高剛性化。

 悪路走破性を大幅に向上させるとともに、オンロード上での操縦性や快適性も向上させたといいます。

 新型ランクル250のボディサイズは、全長4925mm×全幅1980mm×全高1870mm、ホイールベース2850mm。

 現行型ランクルプラドのボディサイズは、全長4825mm×全幅1885mm×全高1850mm、ホイールベース2790mmで、新型は全長100mm、全幅95mm、全高20mm、ホイールベース60mmがそれぞれ拡大しています。

 なお2850mmのホイールベース長は、ランクル300と同等の寸法です。トヨタではこのホイールベースサイズを「黄金比」と呼び、ステーションワゴンタイプでは実に4世代にわたって継承されているものです。

 しかしボディ拡大の一方で、新型ランクル250ではミラーの全幅をランクルプラド以下に収めることで、取り回しにも配慮したと説明します。

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