車のブレーキ「フェード現象」なぜ起こる!? 「踏めば止まる」は当たり前か 命を守る「重要保安部品」について考える
ブレーキにまつわるトラブルあれこれ
現在販売されているクルマのほとんどには、「ABS」という装置が備わります。
ABSとはアンチロックブレーキシステム(Antilock brake System)の頭文字を取ったもので、クルマがまだ走っているのに、ブレーキによって車輪だけが止まってしまう(車輪がロックしてしまう)ことを防ぐ装置です。
![現在販売されているほとんどすべてのクルマにはABSが標準装備されています[画像はイメージです]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2024/07/20230720_nissan_new_serena_001.jpg?v=1689850125)
車輪がロックした状態でクルマが止まりきれない場合、タイヤは路面に食いつく摩擦力を失うとともに、スキーのように路面を滑っていく場合があります。
そのときクルマの進行方向はハンドル操作とは無関係となり、非常に危険な状態に陥ります。
ドライバーがブレーキを踏み続けた状態でも、ABSはスリップしている車輪のブレーキの圧力を瞬間的に緩めたりすることでブレーキ力を最適化し、車輪の回転を元通りにする役目を果たします。
この時、ABS装置の構造上、ブレーキペダルに断続的な振動が伝わってきます。
ドライバーがこの振動に驚いてブレーキペダルを緩めてしまい、クルマが止まらなくなる人為的トラブルが起こることがあります。
振動はABSが正常に作動している証しで、故障ではないので、緊急停止の際などドライバーはブレーキペダルを強く踏み続けましょう。
また、比較的年式の新しいクルマでは滅多に起こることではありませんが、このABSでもトラブルが発生することがあります。
ABS装着車の各車輪には、回転状態を調べるセンサーが装着されていますが、このセンサーが故障することがあります。
車輪の回転数を正確に伝えられなくなるため、ABS装置も誤って作動します。
車輪がスリップしていないのにブレーキ力が緩められてしまい、低速時にクルマを停めづらくなることがあります。
もしこのような異常を感知したり、ABSの異常を知らせる警告灯がメーター内に点灯した場合には、速やかに販売店や整備工場へ連絡し、修理を依頼したほうが良いでしょう。




























