夏の車内「じりじり暑い!」解消!? 「日焼け」も防止しちゃう? イマドキの「車のガラス」に込められた凄い「機能」とは

真夏の強い日差しによる車内の暑さを抑えるため、クルマのガラスは日々進化を続けています。最新機能にはどのようなものがあるのでしょうか。

クルマのガラスには主に「2つのタイプ」があった

 最近のクルマのガラスには、車内を快適にする機能が付加されているタイプが増えています。
 
 今回は様々な機能をもった最新のガラス事情について紹介します。

あ、暑い……!! 真夏のじりじりする日差しから乗員を守るため、クルマのガラスも日々進化していました[画像はイメージです]
あ、暑い……!! 真夏のじりじりする日差しから乗員を守るため、クルマのガラスも日々進化していました[画像はイメージです]

 クルマのガラスは、通常のガラスをより強固にした「強化ガラス」と、割れにくい「合わせガラス」が使われています。

 そのうち強化ガラスは、主にリアガラスやサイドガラスに使用されています。

 その名の通り、通常の板ガラスに比べて、同じ厚さ3倍から5倍程度の強度性能を持っているガラスです。

 しかし、衝撃が加わって一度割れてしまうと粉々になってしまうデメリットもあり、ガラスの破片が乗員の目に入ってしまうなど怪我をすることがあります。

 そのため、1987年9月以降に製造されるクルマのフロントガラスには、合わせガラスを使用することが「道路運送車両の保安基準」で義務付けられました。

 合わせガラスは、ガラスとガラスの間に中間膜と呼ばれる特殊フィルムを挟み込んだガラスです。

 特殊なフィルムを挟み込むことで、万が一ガラスが割れてしまった場合でも粉々にならないため、安全性が高まることに加え、飛び石などの飛来物が車内へ入ってくることを防いでくれたり、割れにくいため、盗難防止効果も高めてくれます。

 合わせガラスは、中間膜の特殊フィルムの種類を変えることで、単なる割れにくいガラスという機能以外にも様々な機能を持たせることができます。

 そのなかでも、紫外線(UV)をカットする特殊フィルムを中間膜に採用しているのが「UVカットガラス」です。

 乗員の日焼けを防いでくれるほか、内装の劣化なども防いでくれます。

 そのため、古いクルマなどで見られる紫外線の影響による経年劣化、例えばダッシュボードのヒビ割れや色あせといった現象は以前よりも低減されています。

 現在販売されているクルマのフロントガラスには合わせガラスが採用されているので、実はUVカット機能はほとんどのクルマに備わっています。

 またフロントガラスのみならず、サイドガラスやリアガラスにもUVカット機能が付与されているクルマも増えています。

 そして猛暑で大活躍しそうなのが、赤外線(熱線:IR)をカットしてくれる特殊フィルムを中間膜に採用した「IRカットガラス」です。

 IRカットガラスは別名「熱線カットガラス」とも呼ばれ、太陽光からのじりじりした熱線をカットしてくれます。

 そのため、太陽光による車内温度の上昇を緩和してくれます。

 併せてカーエアコン(クーラー)の効率を高める効果も期待されます。

 JAF(日本自動車連盟)が2012年8月に実施した「真夏の車内温度」に関するユーザーテストによると、駐車中の温度上昇によるダッシュボードの温度は最高79度まで上昇したといいます。

 このテストから10年以上が経過し、日本国内の最高気温が更新されていることを考えると、ダッシュボードの温度上昇は年々厳しいことが想像できます。

 つまり、ますますIRカットガラスの効果が発揮されるわけです。

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