電動キックボードにも「違反者講習」がある!? 受講命令を無視すると“罰金”のおそれも! ネット上では「安全運転意識が低い」「もっと厳しく取り締まってほしい」などの声!
警視庁は先日、電動キックボードの交通違反で2回取り締まりを受けた後、受講義務のある運転者講習を受けなかったとして、29歳の自営業の男性を書類送検しました。電動キックボードの講習を受講しなかったことによる書類送検は、全国で初めての事例です。
書類送検された男性は「取り締まりに納得していなかった」と供述
警視庁は先日、特定小型原動機付自転車(いわゆる電動キックボード)で危険行為を繰り返した人に対して受講義務が課される運転者講習を拒否したとして、千葉県木更津市に住む29歳の自営業の男性を道路交通法違反(受講命令違反)の疑いで書類送検しました。
これは男性が2025年7月から10月にかけて、東京都公安委員会から電動キックボードの運転者講習を受けるよう命じられたものの、期限内に講習を受けず、命令に従わなかったものです。

男性は2024年10月、東京都内などで電動キックボードを運転した際に信号無視をしたり、歩道上を電動キックボードの「車道走行モード」で通行したりしたとして、警察から2回交通違反の取り締まりを受けました。
なお道路交通法では3年以内に2回以上、電動キックボードの運転中に信号無視や通行禁止違反といった危険行為をおこなって取り締まりを受けた、または交通事故を起こして送致された人に対し、運転者講習の受講命令を出すことができると定められています。
そのため男性の自宅にも受講命令の通知書が郵送されましたが、男性は通知を無視したうえ、警察からの電話連絡に対しても受講しない意向を示していました。
警視庁によると、この男性に対してはハガキを2回郵送したほか、5回電話して受講するよううながしていたということです。
このような状況を受けて今回の書類送検に至りましたが、電動キックボードの運転者講習の受講命令違反による書類送検は全国で初めての事例です。
男性は警察の調べに対し容疑を認め、運転者講習の受講を拒否した理由について「交通違反に納得していなかったので受講しなかった」などと話しています。
男性が書類送検されたことに関してインターネット上では「電動キックボードだから大丈夫と思っていたんでしょうね。こういう人は再び違反を繰り返します」「どんどん送検し、より悪質な事案については起訴して罰金につなげてほしい」「電動キックボードとモペットは、もっと厳しく取り締まってほしいですね」などの声が上がっています。
さらに「電話するのにもハガキで督促するのにも税金が使われる。かかった電話代やハガキ代、それに費やした職員の時給分も全部請求してほしい」「電動キックボードを利用している人の安全運転意識が低い。講習があることも知らないのでは?」といった意見も寄せられました。
自転車で一定期間内に危険行為を繰り返して取り締まりを受けたり、事故を起こしたりした際には「自転車運転者講習」の受講が義務付けられますが、電動キックボードで同様の行為をした場合にも「特定小型原動機付自転車運転者講習」を受講する義務があることは意外と知られていません。
具体的には以下の17類型の危険行為をおこなって取り締まりを受けた、あるいは事故を起こして送致された場合に、電動キックボードの運転者講習を受けなければなりません。
・信号無視
・通行禁止違反
・歩行者用道路徐行違反
・通行区分違反
・歩道徐行等義務違反
・路側帯進行方法違反
・遮断踏切への立ち入り
・優先道路通行車妨害
・交差点優先車妨害等違反
・環状交差点での安全進行義務違反
・指定場所一時不停止等
・整備不良車両の運転
・酒気帯び運転等
・共同危険行為等
・安全運転義務違反
・携帯電話使用等
・妨害(あおり)運転
運転者講習は3時間で受講手数料が6300円、受講命令に従わなかった場合は今回の事例のように「受講命令違反」となり、5万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
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特に都心部の道路では、電動キックボードによる信号無視や一時不停止、本来「歩道走行モード」で通行しなければならない歩道を「車道走行モード」で通行する通行区分違反などの交通違反が多くみられます。
また警察庁によると2024年中、特定小型原動機付自転車が関連する事故は338件発生し、そのうち運転者が飲酒していた事故は51件、全体に占める割合は15.1%でした。
運転者の飲酒率は一般原付の0.5%や自転車の0.6%と比較しても非常に高く、電動キックボード利用者の遵法意識の低さが浮き彫りとなっています。今後は交通ルールの周知徹底に加え、交通取り締まりの強化が求められるといえるでしょう。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。





















