全長3.5mで「4人が寝られる」!? しかも3列シート! スバルの超狭小ミニバン「ドミンゴ アラジン」が凄かった!

スバルにはかつて、軽ワンボックスカーの車体に3列シートレイアウトを有した小型車「ドミンゴ」に、ポップアップルーフのテントを備えたキャンパー仕様を設定していました。車中泊ブームを先取りしていた超小型ミニバンについて紹介します。

「車中泊」ブームに先駆け1990年代に誕生した純正「超小型」キャンパー

 気ままな旅のスタイルとして「車中泊」人気が高まるなか、各キャンピングカーメーカーから様々なモデルが登場し注目されていますが、自動車メーカー製キャンパーはほとんどみられない状況です。
 
 しかしこうしたブームに先駆け、スバルは1990年代にいち早く純正の超小型キャンパーを発売していました。

頭上にはさらにもうひとつの「寝床」がある!? 全長3.5mながら本格的な純正キャンピングカー「ドミンゴ アラジン キャンパー」。シートの上に敷く専用のベッドマットも用意されていました
頭上にはさらにもうひとつの「寝床」がある!? 全長3.5mながら本格的な純正キャンピングカー「ドミンゴ アラジン キャンパー」。シートの上に敷く専用のベッドマットも用意されていました

 2023年7月現在、国内で販売されるスバル車には3列シート車のラインナップがありませんが、過去にはいくつかのモデルが用意されていました。

 なかでも最もコンパクトな3列シートミニバンが、1983年に登場した「ドミンゴ」でした。

 軽ワンボックス「サンバー」(4代目サンバートライ)をベースにした小型車で、全長わずか3.4m級の極小モデルに1リッターもしくは1.2リッターの直列3気筒エンジンを搭載していました。

 スバルが得意とする4WDモデルもいち早く設定し、雪山などのレジャー用途にも活躍しました。

 そして1994年にフルモデルチェンジした2代目も、5代目サンバーディアスをベースに誕生。CVT仕様も設定するなど、確実に進化を遂げています。

 ボディサイズは全長3525mm×全幅1415mm×全高1995mm(4WD)と、依然として圧倒的なコンパクトさを誇っていました。

 注目は、1996年に追加されたキャンピングカー仕様「アラジン キャンパー」です。

 屋根上に上方へ430mmポップアップするテント「リフトアップルーフ」を備えたモデルです。

 就寝スペースは長さ2000mm×幅840mm×高さ500mmを確保し、大人と子どもなら2名が就寝可能なスペースが誕生します。

 キャビン部もシートをフルフラットに倒すことで、同様に親子2名程度のスペースが確保されるので、最大4名が就寝できるのです。

 全長わずか3.5mのクルマとは思えないほどの高効率パッケージングには驚かされます。

 さらにフラットマットやシャワー兼用シンク、折りたたみサイドテーブル、カーテン、サブバッテリー、カセットコンロ、外部電源コネクターなどの本格装備を備えるほか、オプションでサイドテントや冷温蔵庫なども用意していました。

 当時の販売価格は、2WD・5速MT車が197万5000円から。4WDやECVT仕様も設定されていました。

 なおアラジンにはキャンパー仕様以外に、ポップアップルーフのみを備えた簡素版の「アラジン リフトアップルーフ」も設定され、こちらは2WD・5速MT車が149万8000円と、グッとお手頃な価格でした。

※ ※ ※

 ドミンゴは、国内に本格的なミニバンブームが到来するなか、1998年に静かに絶版モデルとなりました。

 その後もスバルは、OEMモデル「トラヴィック」や、自社開発の「エクシーガ」(のちに「エクシーガ クロスオーバー7」)など、3列シートミニバンをラインナップしていましたが、2018年に販売を終えています。

 スバルユーザーのなかでは「スバルブランドのミニバンが欲しい」といった声も上がっているようですが、今のところ復活するといった発表はスバルからされていません。

スバル・ドミンゴ のカタログ情報を見る

【画像】もはや「魔法」!? 「ドミンゴ アラジン」の内装を写真で見る(50枚以上)

【注目!】 スバルは何が凄い? クルマ好き必見な情報を見る!

画像ギャラリー

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー