なぜ街中のパトカーは「トヨタ車」多い? 白黒クラウン率高し! 採用例が多い理由とは

様々な種類が存在する警察車両ですが、中でもトヨタ「クラウン」は最もよく見かける車種といえます。なぜトヨタ車が多く採用されているのでしょうか。

なぜパトカーのトヨタ車率は高いのか?

 街にはさまざまな種類のパトカーが走っています。
 
 その中でも、トヨタ「クラウン」は最もよく見かける車種といえますが、なぜトヨタ車が多く採用されているのでしょうか。

なぜパトカーにトヨタ車が採用されることが多いのか?
なぜパトカーにトヨタ車が採用されることが多いのか?

 街の交通を見ていると、さまざまな車種のパトカーが走っていますが、実はパトカーはその業務内容・目的によって「無線警ら車」や「交通取締用四輪車」、「小型警ら車(ミニパトカー)」などの種類に分類されます。

 無線警ら車は主にパトロールや事件・事故の対応に当たるもので、交通取締用四輪車はその名称のとおり、交通取り締まりをメインで行います。

 これらのパトカーは事件の犯人や交通違反者の追跡などに使用することもあるため、機動力の高いトヨタ「クラウン」やスバル「レガシィ」などが採用されています。

 その一方、交番や駐在所などに配置されているパトカーは小型警ら車であり、トヨタ「パッソ」、日産「マーチ」、スズキ「ソリオ」や「スイフト」といった小回りのきくコンパクトカーを使用することが一般的です。

 そもそもパトカーの調達方法については、警察庁が国費で購入するケースと各都道府県が必要に応じて購入するケース、そして一般の人から寄贈されるケースの3つに分けられます。

 以前、栃木県警にレクサス「LC500」や日産「GT-R」といった高級車が寄贈されて話題になりましたが、パトカーの寄贈はレアケースであり、ほとんどは警察庁や都道府県が調達した車両です。

 警察庁はパトカーを一括購入して全国の警察に必要に応じて振り分けるのに対し、各都道府県ではそれぞれが独自でパトカーを購入するため、車種にバラつきが生じる場合があるほか、購入台数は警察庁より少なくなります。

 警察庁が警察車両の購入や点検費用などを掲載した「令和4年度行政事業レビューシート」という資料によると、かかった費用の支出先の上位3位をトヨタが占めています。

2020年9月に栃木県警に警察車両として寄贈されたレクサス「LC500」(写真:栃木県警)
2020年9月に栃木県警に警察車両として寄贈されたレクサス「LC500」(写真:栃木県警)

 街中でもクラウンパトカーをよく見かけますが、なぜトヨタ車が多いのでしょうか。

 前述の資料によると、支出先1位の内容は「交通取締用四輪車の購入」、2位は「無線警ら車の購入」、3位が「交通取締用四輪車(反転警光灯)等の購入」という結果でした。

 つまり、トヨタが交通取締用四輪車や無線警ら車のほか、パトカーに取り付ける赤色ランプなどの設備の製造を請け負ったことになります。

 このようにトヨタがパトカーの製造を担当しているのは、多数ある自動車企業の中でも、「パトカーづくりのノウハウが高いため」といえるでしょう。

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