なぜ街中のパトカーは「トヨタ車」多い? 白黒クラウン率高し! 採用例が多い理由とは

パトカーに求められる条件は? 「なぜトヨタが多い?」公式回答はいかに

 たとえば、無線警ら車に関しては、4ドアのセダンタイプであること、排気量が2500cc級以上であること、座席にビニールレザーなど耐水性、耐久性の高い素材を使用することなどの条件を満たさなければいけません。

 色々な条件が設けられているのは、パトカーのルーフに30kg程度の昇降機能が付いた警光灯を設置することに加え、複数の警察官や防弾盾などの資機材を積んだまま緊急走行する場面も多くあり、排気量や最高出力、耐久性などの面で高いスペックが求められるためです。

 さらに、あらゆる装備を搭載した状態でクルマにどのような影響があるかを検証する必要もあります。

俗に「覆面パトカー」と呼ばれるモデルでもトヨタ「クラウン」が採用されているケースが多い
俗に「覆面パトカー」と呼ばれるモデルでもトヨタ「クラウン」が採用されているケースが多い

 実際に過去の「第6回 警察庁会計業務検討会議 議事概要」にて、他社に比べてトヨタの採用が多い理由について触れており、以下の内容が述べられていました。

「各自動車メーカーの考え方もあると思うが、対応できる車種があっても、モデルチェンジのタイミング、架装メーカーの空き具合、台数の不足等で対応ができないことがあるのではないか。

また、パトカー等の場合は非常に架装が多く、それを積載することにより車にどのような影響を与えるかなどの検証も必要となる。

 さらに、モデルチェンジをすると、警察用車両の過酷な運用に支障がないようにするための研究も必要となる。

 それらのタイミングで仕様に沿った車を製造できるかどうかは、各自動車メーカーの判断であり、対応できる車種があるからといって、必ずしも応札してもらえるものではないと思われる」(議事概要 一部引用)

※ ※ ※

 このようにトヨタには前述の条件を満たすことができるという理由から、パトカーに多く採用されているものとみられます。

 そのほか交番や駐在所などで使用されるミニパトカーについては、交通取締用四輪車や無線警ら車ほど高い条件を求められないこともあり、他の自動車企業のパトカーが多く採用されています。

 パトカーには交通取締用四輪車や無線警ら車などの種類があり、現在これらの多くはトヨタが製造しています。

 2022年7月には、パトカーの代表格ともいえるクラウンのフルモデルチェンジが発表されましたが、今後パトカーとして導入されるのか否かが注目されます。

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Writer: 元警察官はる

2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

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