恐怖!? 「軽トラック」で盗難事件多発! なぜ盗まれるのか? 茨城だけですでに「今年10台」も… 有効な“対策方法”はあるのか 茨城県警に聞いた

茨城県警は公式SNSで、スズキの軽トラック「キャリイ」の盗難が増えていると発表しました。どういうことなのでしょうか。

茨城県内で4月までに10台も 9台が「キャリイ」

 茨城県警は2025年4月13日、公式SNSを更新。
 
 県内でスズキの軽トラック「キャリイ」の盗難が増えていると発表しました。どういうことなのでしょうか。

(画像:PIXTA/イメージです)
(画像:PIXTA/イメージです)

 自動車の盗難(以下、自動車盗)は、カーセキュリティの標準装備化や市中の防犯カメラ設置などから減少傾向にあります。

 2024年は6080件(警察庁発表)と、ピークだった2003年(6万4223件)の1割以下に抑えられていますが、単純計算で1日約17台が盗まれている現状です。

 今の自動車盗の傾向は、海外輸出し中古車として売りさばいて金儲けするため、海外で人気の高いクルマに狙いが定められています。

 例えばトヨタ「ランドクルーザー」「アルファード」「ハイエース」「プリウス」、レクサス「LX」「RX」などは、盗難被害件数の上位を占めています。

 また、1980年代から2000年代初頭の国産スポーツカーが世界的に人気になったことで、トヨタ「スープラ」や日産「スカイラインGT-R」「シルビア」なども盗難されています。

 いっぽう、今回茨城県警が発表したのは、日本独自のクルマで、海外需要の少ない軽トラック「キャリイ」の盗難注意情報でした。

 これは先出のような今の自動車盗の傾向とは異なりますが、一体どういうことなのでしょうか。

 茨城県警 生活安全総務課の担当者によると、「軽トラックが狙われる理由についてはまだわかっておらず、捜査が進められています」とのことで、今のところは直接的な要因については調査中だといいます。

 ただし、同担当者は上記に付け足すかたちでこのように分析しています。

「軽トラックは農作業などで使われるので、作業中に鍵を付けっぱなしにしておく人や、保管するときも納屋でロックをせずに置かれていることが多いことが要因として考えられます」(県警担当者)

 農作業などの用途で使われることの多い軽トラックは、駐車場に停める乗用車とは違い、田畑の農道などにそのまま停め置かれているのを目にします。

 また保管時も日常的に仕事で使うため、しっかりとした駐車場ではなく敷地内の出し入れしやすい場所や、農機具とともにひとけのない納屋などで保管されることが多く、いわば「盗みやすい状態」になっているケースが多いということです。

 さらに、いつでも乗れるように保管時はキーを付けっぱなしにしておいたり、少しの作業であればエンジンを始動したまま置いておくといったように、乗用車と違って防犯がゆるい傾向にあるのです。

 窃盗団にとっては、稼げる人気車種に狙いを定めるいっぽうで、「盗みやすい状態でそのまま置いてあるクルマ」は都合のいい存在です。

 盗んだクルマは中古車輸出の金稼ぎ目的以外にも、強盗や詐欺、密輸、逃走など、別の犯罪で使われるケースもあり、強盗事件で逃走に使ったクルマが盗難車だったという事件はたびたび起こっています。

 中古車輸出の需要が少ない軽トラックは、こうした犯罪の手段として活用されている可能性も考えられます。

 先出の担当者の情報では、2025年1月から4月17日現在まで、茨城県内では228台の自動車盗があり、そのうち10台が軽トラックだったといいます。

 なかでもキャリイは9台を占め、盗難には十分警戒が必要だと話しています。

※ ※ ※

 では盗難防止策としてはどのような手段を講じればいいのでしょうか。

 茨城県警では、クルマを物理的に動かなくする「タイヤ・ステアリングロック」、バッテリーを外されたりしても動く「独立型の警報装置」、クルマの純正セキュリティとは違う「電子制御システム」の追加、盗まれても居場所を特定できる「GPS機器等の搭載」、怪しい人物を録画する「ドライブレコーダーの設置」などを提案。

 これらの「いずれかひとつ」ではなく、複合的に組み合わせることで効果を発揮するとしています。

「軽トラックだからといって、対策方法に特に違いはありません。乗用車と同様、しっかり対策を施すことが大切です」(県警担当者)

 公式SNSでも、

「キャリィの盗難が増えています。車を離れる際は、必ずエンジンキーを抜くようにお願いします。みんなでやろう自動車盗対策!

 愛車を守るためには、見せる対策、見えない対策の複数対策!」(原文ママ)と警鐘を鳴らしています。

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