全長3.7mに4700ccエンジン搭載!? 爆速すぎる「コンパクトカー」存在! 名門ブランドが「ガチ」で作った「超高級モデル」とは
英国を代表する高級スポーツカーメーカー「アストンマーティン」は、かつてコンパクトカーに400馬力超えのエンジンを搭載した「モンスターマシン」を製作していました。
超高級ブランドが本気で作った「V8コンパクトカースーパーカー」
アストンマーティンは、洗練されたエクステリアに高品質なインテリア、強力なパワーユニットによる第一級の走行性能で知られる、英国の老舗高級スポーツカーメーカーです。
そんなアストンマーティンはかつて、ブランドイメージとは大きくかけ離れたコンパクトカー「シグネット」を販売していましたが、このシグネットには強大な出力のエンジンを搭載した、まさに「モンスターマシン」と呼べるモデルが存在します。
アストンマーティンといえば、世界三大レースに名を馳せるル・マンやF1での活躍に加え、映画「007」シリーズで主人公が乗る「ボンドカー」として多くのモデルが採用されている、英国上流階級が愛用する高級スポーツカーブランドです。
そんなアストンマーティンですが、イメージとは大きく異なる「コンパクトカー」を販売していたことがありました。
「シグネット」は2011年から2013年まで生産された、全長3078mm×全幅1680mmの3ドアコンパクトカーです。
ベースは2008年11月に発売されたトヨタ「iQ」で、パワートレインは1.3リッターの直列4気筒エンジンに6速MTを組み合わせるなどiQと共通しています。
一方で、生産はアストンマーティン本社であるゲイドンで製作され、真のアストンマーティンとして設計・製造されたといいます。
エクステリアも一部異なり、特徴的な翼をモチーフにしたフロントグリルや、ボンネットとフロントフェンダーに設けられたダクト、専用デザインのテールなど、アストンマーティンの系譜を受け継ぐデザインを採用。
さらに、インテリアには手縫いの本革素材を各トリムやシートにふんだんに使用。ルーフ素材も一部モデルでは人工皮革「アルカンターラ」を採用し、豪華に仕上げられています。
そんなシグネットの生産が終了した5年後の2018年7月、アストンマーティンはイングランド南部・ウェストサセックスで開催されたモータースポーツイベント「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」にて、「V8シグネット」を初公開しました。
V8シグネットはアストンマーティンが提供している顧客一人ひとりの要望に応えるオーダーメイド ーソナライゼーションサービス「Q by Aston Martin」として1台のみ製作。
ボディサイズは全長3708mm×全幅1920mm×全高1500mm。
パワートレインは3代目「ヴァンテージS」に搭載される、最大出力430馬力・最大トルク490Nmを誇る4.7リッターV型8気筒エンジンに7速セミATを搭載。
これにより0-60mph(約100km/h)は4.2秒をマークし、最高速度は170mph(約272km/h)と公表しています。
長大なエンジンを収めるため、エンジンルーム内のバルクヘッドおよびトランスミッショントンネルは板金にて製作。さらに駆動方式もFRへと変更されました。
強化されたパワートレインに対応するため、フロントには6ピストン・リア4ピストンの強化ブレーキ、フロント235/40/19、リア275/35/19の極太タイヤを装着。大幅なワイドトレッド化も実施しました。
さらにボディは溶接にてロールケージを組み込み、サブフレームやサスペンションもヴァンテージから流用されました。
インテリアはレーシング走行も可能なように、ベースのラグジュアリーな雰囲気から一転し、硬派なスポーツ仕様へ変更。シートは複合素材のフルバケットシートを装着し、さらに4点式ハーネスやカーボンダッシュボードを採用。
その一方で、カーボン製ドアパネルにはレザー製のプルストラップを設け、高級感も少し残しています。
まさにモンスターマシンへと仕上げられたこのV8シグネットは、Q by Aston Martinの幅広い対応力を示すだけでなく、アストンマーティン社のエンジニアリング力を顧客に示すものとなりました。
なお、価格は公表されていませんが、シグネットの日本国内における新車価格475万円(消費税込)をはるかに超えるプライスタグが掲げられたのは想像に難くありません。
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