なぜ“今の若者”は「セダン」「旧車」を好む? 幼少期は「ミニバン育ち」も“車選び”が変化した背景とは

今の若者はミニバンで育った世代といえますが、そんな世代のクルマ選びが変化しているようです。若い人たちは、実際にどのようなクルマを好む傾向があるのでしょうか。

「若者のクルマ離れ」が起こった背景は?

 2000年頃から「若者のクルマ離れ」という言葉が聞かれるようになりました。この背景にはクルマの普及があります。
 
 過去を振り返ると、1980年代の前半まで、クルマは若い人達にとって憧れの対象でしたが、1980年代の後半から販売台数と保有台数が急速に増えて、クルマに対して憧れを持ちにくくなりました。

スポーティなデザインで若々しく生まれ変わるトヨタ新型「クラウンセダン」
スポーティなデザインで若々しく生まれ変わるトヨタ新型「クラウンセダン」

 国産メーカーの多くがミニバンを本格投入しはじめた1980年代後半から2000年代、ちょうどその頃に生まれた若年層の人は、幼い頃自宅にミニバンがあった家庭が多いでしょう。普段からミニバンのようなファミリーカーに乗っていれば、クルマが憧れの対象になりにくいといえます。

 また、1990年代の後半からは、携帯電話やパソコンが若い人達に普及して、現在はスマートフォンに発展しています。

 インターネットやSNSの拡大も含めて、これらはコミュニケーションのツールですから、自宅にいながらさまざまな情報に触れることができるようになり、その結果、外出する必要性が薄れてクルマのニーズも下がるというわけです。

 さらには、クルマの価格や維持費の高さも挙げられます。今の若い人達は、昔と違ってさまざまなモノへの出費も多くなったうえに、本体価格も上昇し、ガソリン価格や各種税金も高騰したクルマは所有しにくいという事情もあります。

 これらの理由によって若年層のクルマ離れが進んだといわれ、2000年代の前半から2020年頃まで、メーカーの開発者からは「今の若い人達はクルマに興味がなく、購買にも結び付かない」という話が聞かれたものです。

 例えば日産は、2010年にコンパクトSUVの「ジューク」を発売。フロントマスクなどの外観が個性的で、従来の感覚では“若者向けのモデル”と思われましたが、販売直後のデータでは50代以上の購入者が45%を占めていました。

 若者向けとされたコンパクトSUVですが、実際に購入したのは中高年齢層が中心だったのです。

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 その一方で軽自動車の開発者からは「今の若年層が購入するカテゴリーは、軽自動車のスーパーハイトワゴン」という話を聞くようになりました。

 前述の通り、今の若いユーザーは幼い頃からミニバンに親しんで育ったことから「スライドドアを装着した背の高いボディ」がクルマ選びの基本になり、軽自動車でも全高が1700mmを超えるモデルを中心に若年層からの支持を集めています。

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