まさかの「軽SUVワゴン」が18年前に存在!? 今なら「爆売れ」必須? 短命だった“激レア車” 三菱「eKアクティブ」とは

エキゾチックな「ブーレイ」顔が妙にハマってる!?

 エクステリアのデザインについては、基本のボディシェルはeKシリーズ共通のものですが、フロントマスクには当時の三菱車の多くに採用されていた、いわゆる「ブーレイ顔」(当時の三菱でデザイン部門のトップだったオリビエ・ブーレイ氏が推し進めたとされる、共通イメージのフロントデザイン)を設定。

 この形態は他のeKシリーズには設定されていなかったこともあり、輸出仕様車のような独特の雰囲気をまとっています。

専用エクステリアに加え、最低地上高をアップし大径タイヤを採用するなど、細部まで凝った設計が特徴の三菱「eKアクティブ」
専用エクステリアに加え、最低地上高をアップし大径タイヤを採用するなど、細部まで凝った設計が特徴の三菱「eKアクティブ」

 また前後バンパーにはスキッドプレート風の加飾がプラスされ、フロントには丸型のフォグランプベゼル、リアにも同形状の反射板を備えることで、力強さと共に可愛らしさも演出。

 ルーフには実用性がありながら、スッキリとしたビルトインルーフレールを装着し、専用の2トーンカラーと共にアクティブな印象を与えてくれるのも特徴と言えるでしょう。

 インテリアは、造形こそeKシリーズのものと同一となりますが、インストルメントパネルやドアパネル、シート表皮などをダークブルーとライトグレーのメリハリのあるコンビネーションとすることで、モダンで軽快なイメージをプラス。

 ヒップポイントも、eKワゴンより45mm高めることで、クロスオーバーSUVらしい見晴らしのよさも実現しました。

 搭載されるエンジンは、eKスポーツと同じ64馬力を発生する660cc直列3気筒ターボエンジンと、50馬力の自然吸気エンジンを設定。残念ながらMTは設定されませんでしたが、コラムシフトとフロントベンチシートによって左右方向へのウォークスルーも可能となっており、使い勝手は抜群。

 もちろん前輪駆動のほか4WDも用意されており、アクティブに使いたい人にピッタリの1台となっていたのです。

※ ※ ※

 軽クロスオーバーSUVの先駆けとして登場したeKアクティブでしたが、登場がやや早すぎたのか、新車時はそこまで爆発的なヒット車種とはならず、2006年に実施されたeKワゴンシリーズのフルモデルチェンジ時に廃止されてしまいました。

 しかしSUVブームの盛り上がりも後押しし、現在ではターボモデルを中心に中古車市場で人気に。通常のeKワゴンよりもかなり高めの金額で流通しています。

 今後もクロスオーバーSUVブームが続く限り、注目を集める車種のひとつといえそうですから、気になっている人はこれ以上中古車の相場が上がる前に、行動に移した方がいいかもしれませんね。

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Writer: 小鮒康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。

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