「眩しすぎ!」 トラックの目つぶし違法ライト、なぜ横行? 後続車から非難の声多数も… 眩しいライトの正体とは

なぜ走行中に眩しいライト点灯が横行する? 考えられる要因は?

 前述のとおり、保安基準に適合しない路肩灯を点灯させながら走行することは道路運送車両法違反に該当しますが、トラックでこの行為が行われているのには様々な理由が考えられます。

 まず、ドライバー自身やトラックの運送業者に法令を守る意識が欠けているか、道路運送車両法をよく理解していないといった原因が挙げられます。

 道路運送車両の保安基準の内容は膨大であるものの、規定をひとつひとつ確認することが重要です。

走行中に眩しいライト(路肩灯)を点灯させたままにする要因とは?
走行中に眩しいライト(路肩灯)を点灯させたままにする要因とは?

 さらに、トラックドライバーの高年齢化も関係している可能性があります。

 トラック業界における人手不足が問題となる中、トラック業界では40歳から54歳までのドライバーが約45.2%を占めるのに対し、29歳以下の若年層は約9.1%と低いことが国土交通省の資料で明らかになっています。

 高年齢化が進むことで夜間の視力が低下する人も増加し、非常に明るい路肩灯で後方を確認しながら運転せざるを得ない状態におちいっているドライバーがいることも想定されます。

 加えて、明るいLEDライトが数千円台と比較的安価で購入できるようになったことも眩しいライトが広まった原因のひとつといえるでしょう。

※ ※ ※

 トラックは、後方を照らす白色のライトを点灯したまま走行してはいけません。

 後方を走るドライバーにとっては「目つぶし」ともいえる明るさであり、事故を誘発するおそれもあります。

 ドライバーや運送業者には、白色の路肩灯を走行中には点灯できない仕組みに変える、あるいは停止した際の作業のみに使用するなど保安基準を今一度確認し、改善することが求められます。

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Writer: 元警察官はる

2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

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