2023年6月6日にTOYOTA GAZOO Racing（TGR）は、コンセプトカー「Prius 24h Le Mans Centennial GR Edition」（以下プリウス ル・マン記念エディション）を世界初公開しました。
　
　このコンセプトカーにはどのような特徴があるのでしょうか。

　FIA世界耐久選手権（FIA World Endurance Championship：WEC）の1戦として行われるル・マン24時間は、フランスの「サルト・サーキット」で開催され世界三大レースにも名を連ねる有名レースです。

　ル・マンが100周年を迎える2023年シリーズでは、6月10日から11日にかけて「ル・マン24時間レース 100周年大会」が開催されます。

　レースウィーク中にはサルト・サーキット内「Manufacturers’ Village」にて、TGRは日本政府観光局（JNTO）や1991年に日本の自動車メーカーとして初めてル・マン総合優勝を飾ったマツダと共に、テーマ展示「Japan. Endless Discovery.」を行います。

　さらにTGRブースでは、ル・マンやACO（フランス西部自動車クラブ）への感謝を込めたコンセプトカー、プリウス ル・マン記念エディションを世界初公開しました。

　2023年1月に発売された5代目「プリウス」をベースに、さまざまなカスタムを施すことにより優れた走行パフォーマンスを実現したと言います。

　エクステリアはWEC参戦車両である「GR010 HYBRID」の知見を生かした専用ホイールやエアロパーツなど装備。車高も30mm落とされ、さらなる低重心化を図りました。

　フロントはバンパーコーナー部に大型のカナードスポイラーを片側2つずつ装備し、ロアグリルの形状は「GRヤリス」や「GRカローラ」などとも共通性を感じさせる四角形状のものを採用。ボンネットはカーボン素材を使用し、軽量化を図っています。

　さらにバンパー下部には片側4灯の「マルチヘッドランプ」が装備されており、夜間の視認性を向上。

　サイドはスカートが装着され、白と赤の「GR」ロゴとともに、サイドスカート中央部からリアフェンダー中央部にかけてマットブラックのラッピングが施工されています。

　ホイールはベースの195／50／R19サイズから235／50／R18へと太いものを装着。デザインも空力特性を重視した専用となり、あわせてワイドトレッド化が図られていることから、張り出しがボディ面とほぼ均一な状態を実現。ワイドなスタンスが強調されています。

　リアにはカーボン製大型ウイングに加え、リアフェンダーから連続したデザインのディフューザーを装着。テールゲートはブラックとなり、リアビューには迫力が生まれています。

　そのほか、TGRが公開した画像を見ると、前席シートはGRの刻印入りバケットタイプとなっていることが確認できますが、インテリアの詳細やスペックなどは公表されていません。

　なお、このプリウス ル・マン記念エディションは静岡県小山町の「富士スピードウェイ」で開催させるWEC第6戦「富士6時間耐久レース」でも展示されるとしています。

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　TGRは今回のプリウス ル・マン記念エディション登場に際し、以下のようにコメントしています。

「TGR（当時はトヨタ・レーシング）は、2012年からWECおよびル・マンへの参戦を通じてハイブリッドシステムを鍛えています。

　その知見は、トヨタのハイブリッドの代名詞プリウスなどの市販車に活かされてきました。

　今後もモータースポーツを起点としたもっといいクルマづくりの取り組みを通じて、サスティナブルなモビリティ社会の実現に向けた技術開発を続けていきます」