日野自動車と三菱ふそうトラック・バスは2023年5月30日、経営統合することで基本合意したと発表しました。日野の親会社であるトヨタと、三菱ふそうの親会社であるダイムラートラックを含む4社で合意したといいます。

　日野と三菱ふそうは対等な立場で統合し、商用車の開発・調達・生産分野で協業します。

　トヨタとダイムラーは、両社統合の持株会社（上場）の株式を同割合で保有し、水素をはじめCASE（コネクティッド・自動化・シェアリング・電動化の総称）技術開発で協業しながら統合会社の競争力強化を支えます。

　4社によると、商用車は乗用車に比べて台数も少なく、日本市場で商用車メーカー各社が単独で対応するのは大変難しい状況とし、「開発・生産など事業効率を上げ、日本の商用車メーカーの競争力を磨くことで、日本・アジアの自動車産業の基盤を守り、お客様、ステークホルダー、そして日本の自動車産業に貢献してまいります」と説明します。

　なお、日野をめぐっては、2022年にエンジン性能試験の不正が発覚。その影響で2023年3月期の連結最終損益は1176億円の赤字で、3期連続で赤字に陥っていました。

　なお、新会社の名称や所在地・体制・協業の範囲や内容については、協議の上、2024年3月期中の最終契約締結、2024年中の統合完了を目標として進めて行くといいます。

　日野の代表取締役社長CEOの小木曽聡氏は次のコメントを発表しています。

「『移動を支え、社会に貢献したい』との志をひとつにし、益々激しさを増すグローバルな競争を生き抜くために共に手を携えて先進技術開発を加速させ、カーボンニュートラルなどの社会課題の解決に邁進（まいしん）してまいります」

　また、三菱ふそうの代表取締役社長・CEOのカール・デッペン氏は次のコメントを出しています。

「今回の強固な協業を通じて、運輸業界のカーボンニュートラル化を加速させ、より強い日本の商用車メーカーを創り上げていきます。三菱ふそうと日野という伝統ある両ブランドのもと、日本、アジア、そして世界のお客様のニーズにこたえるため、引き続き主導的な役割を担っていきます」