そんなつもりじゃなかったのに! どこから「あおり運転」適用!? 正しい「車間距離」とは

「あおり運転」の取締りが強化されて数年が経ちますが、今もなお「被害にあった」と報告する事例がSNSなどで散見されます。実は無自覚なまま先行車をあおっているケースがあるのかもしれません。

実は「無自覚」なまま「車間」を詰めていたケースも!?

 2020年6月30日に「あおり運転」を取り締まる「妨害運転罪」が創設されてから、約3年が経ちましたが、いまもSNSなどでは「あおり運転の被害にあった」という情報を目にします。
 
 ただそれはひょっとして、車間距離に対する認識が「人によって違う」ことも関係しているのではないでしょうか。

極めて危険なあおり運転は、2020年に創設された「妨害運転罪」の対象となります[画像はイメージです(Photo:Adobe Stock)]
極めて危険なあおり運転は、2020年に創設された「妨害運転罪」の対象となります[画像はイメージです(Photo:Adobe Stock)]

 2022年にチューリッヒ保険会社が行った「あおり運転実態調査」(全国のドライバー2230人を対象)によると、あおり運転をされた経験があると回答したドライバーは51.3%と、実に2人に1人があおり運転の被害を経験したと回答したそうです。

 実際に、街中を走行していても「あのクルマ、あおってるな」というシーンをしばしば見かけることがあります。

 この「あおってるな」とか「あおられてるな」と感じるケースの多くは、2020年に創設された「妨害運転罪」の対象となる10類型のなかでも、やはり「車間距離不保持」でしょう。

 車間距離不保持とは、自分のクルマと前方を走るクルマ(バイクも含む)との間の距離を適切にとらないことを指します。

 この「適切な距離」に関しては、道路交通法第26条において、「直前の車両等が急に停止したときにおいても、これに追突するのを避けることができるため必要な距離を保たなければならない」とされており、つまり「走行速度や路面の状況、運転者の操作タイミングによって違ってくる」ということになります。

 ただ、バックミラーやサイドミラーで後続車の位置を確認しても、この適切な車間距離がとられているかを判断するのは難しいはず。

 クルマには様々なサイズや形状があり、たとえば、軽自動車とミニバンとでは運転席からの景色は全く違いますし、セダンやステーションワゴンなどのクルマのフロント部分が長いクルマと、それが全くないトラックやワンボックスバン、軽自動車では、見え方が変わってきます。

 あおり運転に関しては、「あおり運転加害者の83%が自覚していない」というデータもあります。

 ひょっとすると、ドライバーや状況、車種などによって「あおっている」「あおられている」の感覚が違うことが、この「83%は自覚していない」という状況につながっているのかもしれませんね。

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