そんなつもりじゃなかったのに! どこから「あおり運転」適用!? 正しい「車間距離」とは
重要なのは車間距離より「車間時間」!?
では、どうしたらどのような状況でも適切な車間距離が維持できるのでしょうか。
警視庁によると、走行中は、車間距離よりも「車間時間」で確認したほうが良いといいます。
![「橋脚」や「キロポスト標識」など道路上の目印をめどに、先行車との時間差を図るのが「車間時間」の考え方です[画像はイメージです(Photo:Adobe Stock)]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2024/05/20230526_Highway_Accident_Traffic_AdobeStock_387284570.jpg?v=1685089288)
車間時間とは、前のクルマが通過した目印となる地点を基準にして、自車がその地点にたどり着く時間を数えるものです。
具体的には、前走車の「2秒後方」がよいとされています。
最初の1秒は、危機を認知してブレーキを踏むまでの空走距離、次の1秒は、制動力が働くまでの時間、その合計で2秒とのこと。
距離に直すと、時速60キロならば33.3メートル、時速100キロならば55.6メートルです。
先行車が通過した柱や道路のつなぎ目の位置を覚えておき、「ゼロ、イチ、ニー」とゆっくり数えるうちに、自車が通過しない距離が確保できればOKとなります。
警視庁と交通心理学会がまとめた実験結果によると、この車間時間が1.5秒を切ると多くの方が「危険」と感じるそう。
実際の事故統計からも、車間時間が2秒以下での事故は、死亡事故を含む重大事故が多くなっているとのことでした。
ドライバーがとっさに反応できないほどの短い車間距離だと、追突事故が起こるリスクが非常に高まってしまいますし、前を走るクルマに圧迫感を与えるような「あおり運転」となっている可能性もあります。
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信号待ちや渋滞で停止する場合の適切な車間距離は、前走車のリアバンパーの下端が見える程度(乗用車の場合)、距離にすると2メートルほどがよいそうです。
運転中に周囲を見回すと、停止時にクルマ1台分以上(5メートルほど)も車間を空けているドライバーを見かけることがあります。
しかしこのように車間を空け過ぎることで、バイクのすり抜けや他のクルマの車線変更を許容してしまい、接触事故や渋滞を引き起こしかねません。
停止中の場合に限っては、必要以上に車間を空けておく必要はないといえます。
Writer: くるまのニュースライター 河馬 兎
お金と法律に関する複数の資格をもつWEBライター。好きな言葉は「お風呂」と「ハイボール」




























