パトカーはなぜ「セダン」多い? まさかの「クラウンSUV」はダメ!? 警察車両に定められた「ルール」とは
新型「クラウンクロスオーバー」のパトカーが登場する可能性はあるのか
しかし、そんなパトカー御用達ともいえるクラウンも、2022年のフルモデルチェンジによって、SUVテイストを加えたクロスオーバーに変身してしまいました。
それ以外のセダンも「カムリ」が2022年中に生産中止を迎えるなど、次から次へと姿を消しています。
トヨタでは今後、新型クラウンシリーズのラインナップとして、セダンの発売もアナウンスされていますが、予定されている全幅が1890mmへと広がり、全長も5mほどだといいます。
このような大型セダンが、街中での小回りも要求されるパトカーとして導入されるかは未知数です。
では新型クラウンクロスオーバーが、現在の220系クラウン「国費」パトカーの後継として導入される可能性はあるのでしょうか。
筆者(遠藤イヅル)は、クラウンクロスオーバーのパトカーは登場するかもしれない、と考えています。
と言うのも、パトカーに求められる条件は、時代によって改定・緩和されてきたからです。
例を挙げると、かつては「エンジンは6気筒以上であること」「後輪駆動であること」などの項目が外されてきた経緯がありますが、近年ではエンジンのダウンサイジングに対応し、排気量縛りではなく、出力を基準にするようにもなりました。
パトカーの条件に、最低地上高や全高の制限はありません。クラウンクロスオーバー自体がリアハッチを持たず、実質的には「背が高めの4ドアセダン」であること、トランク容量も450リットル以上を確保していることから、警察庁が定める仕様はクリアしています。
現在も導入が続く220系クラウンのパトカーは、しばらく継続生産されると思いますが、もしかしたら、クロスオーバーやセダンをはじめとした「新型クラウンファミリー」には、そもそもパトカー仕様を設定しない可能性もあります。
その場合は、現在の条件を満たせる220系クラウンがこの先も継続的にパトカーの任に就き続ける可能性もあるかもしれません。
※ ※ ※
歴史的に見れば、クラウンのパトカーは「後期型」からの採用となるのが通例となっています。
新型クラウンファミリーにパトカーが登場するならば、その姿を見られるのはまだ先の話でしょう。
その時、日本を代表する国費パトカーはいったいどうなるのでしょう。クラウン=パトカーというイメージは残るのでしょうか。
セダン市場の縮小がもたらしたパトカーの行く末に、今から興味が尽きません。
[※編集部注記:本文中に誤記があったため2023年5月29日に修正しました]
Writer: 遠藤イヅル
1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター・ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持ち、コピックマーカーで描くアナログイラスト、実用車や商用車・中古車、知られざるクルマの記事を得意とする。
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