トヨタ「カムリ」も43年の歴史に幕! なぜ日本で「セダン」“続々”消滅する? 今後“生き残るセダン”の在り方とは
「セダン」の位置付け、日本ではどうなる?
では、日本ではセダンはこれからどうなっていくのでしょうか。
過去20年間ほどの日本市場の流れを振り返ると、2000年代以降、市場の中心がミニバンや軽自動車にシフトしていきました。さらに2010年代に入ると、各メーカーがSUVやクロスオーバーのラインアップを拡充してきた、というのがこれまでの市場の流れです。
そうした中で、価格帯として中間に位置する大衆的なセダンの需要が下がっていき、今回トヨタが明らかにしたようなカムリ国内販売終了に至っています。
このような日本市場における大きな流れは、そう簡単に変わらないでしょう。その上で可能性があるのが、プレミアム系のセダンの復権です。
ショーファーカーと呼ばれる、運転手さん付きで常にリアシートで移動するタイプのセダンがありますが、自分で運転するプレミアムセダンという領域は今後も、一定程度の需要が見込まれるはずです。
その筆頭になりそうなのが、新型クラウンセダンではないでしょうか。多様な車系を持つ新型クラウンの中で、セダンの魅力が改めて浮き彫りになるかもしれません。
日本でのセダンは、“ネオクラッシックカー”がよく見る主要モデルとして定着するのではなく、まだまだ新しい時代を切り開いていくことを、大いに期待したいところです。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
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