スマホをカーナビ代わりにするのは、違反? 見る・触るのはどこまでがセーフ? 事故時には罰金30万円の可能性も

画面の注視に時間的制限はある? ネットでは「2秒」と言わるが真相は?

 携帯電話を手に持つこと自体は禁止されていないものの、片手運転になれば安全運転義務違反という別の交通違反に抵触したり、ハンドル操作を誤って事故につながるおそれもあるため、スマートフォンを視界の妨げにならない場所に設置することが大切です。

 また画像の注視に関して、注視とは国語辞典で「注意深くじっと見ること」とされているほか、インターネット上では「2秒以上見続けること」と明言しているものもありますが、法令上では注視が具体的に何秒なのかは明記されていません。

「注視=2秒」という意見が見られるのは、2002年に国家公安委員会がカーナビ事業者などを対象にした告示の中で、注視について「おおむね2秒を超えて画面を見続けることをいう。」と示したこと。

自動車が2秒間に進む距離(画像引用:警察庁)
自動車が2秒間に進む距離(画像引用:警察庁)

 また警察庁が「やめよう!運転中のスマートフォン・携帯電話等使用」と題したホームページの中で、運転者が危険と感じる秒数を「2秒以上」と掲載していることなどが要因と考えられます。

 ただし、画像を見ている時間が「2秒未満」なら交通違反にならない、事故の危険性がないというわけではありません。

 佐賀県警が公表している「速度別停止距離一覧表」においては、時速60kmであればクルマは1秒間に16.67m、時速100kmであれば27.78m進むと試算されています。

 速度が上がれば上がるほど進む距離は伸びるため、一概に「何秒間の注視なら安全」とはいえず、警察官から「画像を注視していた」と判断されれば秒数にかかわらず取り締まりを受ける可能性があるのです。

 スマートフォンをナビ代わりとして利用する際には安全のため、画面を見続けないことはもちろん、音声案内をメインに使うなどの工夫をすることが必要といえるでしょう。

※ ※ ※

 スマートフォンの地図アプリは多くの人が利用しているとても便利なシステムです。

 クルマの運転中に地図アプリを使う際には、交通事故防止のため手に持たないこと、画面を注視しないことなどを意識しましょう。

【画像】え? これも違反なの? 実はしてるかも…意外な違反行為を写真で見る!(12枚)

参加無料!Amazonギフト券贈呈 自動車DXサミット BYD登壇 最新事例を紹介(外部リンク)

画像ギャラリー

Writer: 元警察官はる

2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

1 2

実績500万人超!お得に車売却(外部リンク)

新車不足で人気沸騰!欲しい車を中古車で探す

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る

【2025年最新】自動車保険満足度ランキング

最新記事

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー