城崎温泉がより近く! 国道178号「城崎道路」事業化へ 将来は京都・鳥取と連絡 しかし建設は「技術力」が必要?
国土交通省が、国道178号城崎道路について新規事業化する方針を固めました。
豊岡~城崎間に道路をもう1本
国土交通省は2023年3月3日、国道178号「城崎道路」について新規事業化する方針を固め、発表しました。
城崎道路は、北近畿豊岡道の終点として計画されている豊岡北JCT・IC(仮称、兵庫県豊岡市新堂)から城崎温泉IC(仮称、同・豊岡市城崎町飯谷)までを結ぶ延長7.4kmの道路です。2022年2月に都市計画決定しています。
現在、豊岡(市中心部)と城崎は、JR山陰本線のほか、道路だと主に円山川沿いを走る2本の県道で結ばれています。
しかし、円山川は度々氾濫を起こしており、2004年の台風23号のときは、これらの県道や線路も浸水。豊岡市内で円山川を渡る国道178号(現道)も、約57時間にわたり通行止めを余儀なくされました。
国土交通省近畿地方整備局豊岡河川国道事務所によると、豊岡市内の国道178号は、台風などによる通行止めが過去10年間で4回(計約36時間)発生しており、防災拠点となる城崎庁舎への緊急物資輸送などに課題があるといいます。
城崎道路は過去の浸水域をなるべく避けたルートとすることで、災害時にも信頼性の高い道路網を確保する目的があります。
また、豊岡市街の渋滞を避けて豊岡病院から城崎へ向かうルートができることで、救急搬送時間の短縮に寄与。
さらに、日本海沿いにある観光名所の鳥取砂丘や余部鉄橋、竹野海岸、城崎温泉、天橋立などを結ぶルートの一部となり、周遊時の時間短縮や観光振興を後押しすると期待されています。
ただ、城崎道路の建設は一筋縄ではいかないといいます。
豊岡河川国道事務所が兵庫県に送付した調査によると、地域固有の地質特性(キャップロック構造)があることや、計画ルートの近くに約2600世帯に配水する二見水源地があることなどにより、トンネル掘削時の突発湧水や切羽崩壊、坑口付近の地滑りや岩盤崩落、水源地への影響など、技術的課題があるとのこと。
そのためこのルートは、さらに詳細に調査したうえで高度な技術力を活用することで建設が可能になると報告しています。
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国土交通省は2月28日、新規事業候補箇所を発表し、さらに3月3日、城崎道路を候補箇所に追加。都道府県などへの意見聴取を始めるとともに、2023年度予算に向けた新規事業採択時評価の手続きに着手しています。
今後、第三者委員会などの意見も踏まえて評価結果を取りまとめ、年度内をめどに新規事業として採択するか決める方針です。
将来、この城崎道路は、鳥取市から宮津市(京都府)までの東西約120kmを結ぶ地域高規格道路「山陰近畿道」に組み込まれる計画があります。城崎温泉IC(仮称)の先は天橋立のある宮津市方面へ延びていく構想です。
全線がつながると、西側で山陰道や鳥取道、途中で北近畿豊岡道、東側で京都縦貫道とそれぞれ接続し、広域的な高規格道路網を形成します。
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