もはや懐かしい「リトラクタブル式ライト」なぜ新車採用されない? パカッと開く個性パーツ減った理由は? 復活の可能性あるのか

今後「リトラクタブルヘッドライト」の復活の可能性はあるのか?
ただ、現在でもリトラクタブルヘッドライトのファンが多いのも事実です。
一般的なクルマに採用されることは難しくとも、今後、一部のマニア向けのスポーツカーなどに採用されることはないのでしょうか。
残念ながら、衝突安全という観点から、その可能性は極めて低いといわざるを得ません。
現在、日本をはじめとする主要各国は、国連の下部組織である自動車基準調和世界フォーラムに加盟しています。
加盟国間でクルマの安全基準や環境基準を調和することを目的としたこのフォーラムが策定した「国連の車両等の世界技術規則協定 (1998年協定)」では、歩行者保護などの観点からクルマの外装の突起形状に対する規則が含まれています。
リトラクタブルヘッドライトを採用すると、点灯時のヘッドライトが突起物となってしまいます。
この規則を適用するかどうかは加盟各国の判断にゆだねられていますが、クルマの円滑な輸出入を考えると、規則の適用が事実上の義務となっているため、リトラクタブルヘッドライトを新たに採用することは、ほぼ不可能となっています。
実際にとある自動車メーカーのデザイン担当者は次のように話しています。
「リトラクタブルヘッドライトは、安全上やデザイン上などさまざまな制約によって今後登場することはほぼないといえます。
最近は小型化されたLEDにより幅広い造形が可能なデザインにすることが可能なほか、重量(燃費)やコストなどを考えると難しいのが実情です」
Writer: PeacockBlue K.K. 瓜生洋明
自動車系インターネット・メディア、大手IT企業、外資系出版社を経て、2017年にPeacock Blue K.K./株式会社ピーコックブルーを創業。グローバルな視点にもとづくビジネスコラムから人文科学の知識を活かしたオリジナルコラムまで、その守備範囲は多岐にわたる。

























