クルマのペダルは踏み間違うもの? 高齢者に限らぬミス、頼れる「技術」で対策を
なぜ人は、クルマのペダルを踏み間違えてしまうのか
では、なぜドライバーはペダルを踏み間違えてしまうのでしょうか。JAFはこれを「アクセルもブレーキも同じように“踏み込む”という動作を行うから」と説明しています。
「右がアクセルで、左がブレーキで場所が違うから、間違えるはずない」と考える人もいるでしょう。ところが、座る姿勢が少しでもおかしかったりすると、簡単に踏み間違えることがあるのです。
個人的な話ですが、私(鈴木ケンイチ:モータージャーナリスト)もペダルを踏み間違えたことがあります。それはサーキットでのスポーツ走行中でした。横Gを受けながらのブレーキングだったのですが、なんとブレーキのつもりで、ブレーキのさらに左にあるクラッチを踏んでしまったのです。もちろん減速はしません。そのときの恐怖は、10年以上たった今でもありありと思い出せます。あまりの驚きに、一瞬の対応ができずコースアウトしてしまいました。このように、ペダルを踏み間違えた事実に驚き、動転してしまい、正しい対処ができなくなる可能性は誰にでもあるでしょう。
つまり「ペダル踏み間違い事故」は、注意していれば防げるという類のものではないのです。交通事故総合分析センターの調べでは、2008(平成20)年から2013(平成25)年のあいだの「ペダル踏み間違い事故」件数は、約6200件から6600件と横ばいを続けています。
それでは、どのようにして「ペダル踏み間違い事故」を防げばいいのでしょうか。