カープとマツダ、他人のふりのナゼ 両者をつなぐ特別な「赤」とは
プロ野球の広島東洋カープは「市民球団」として発足し、いまなおそのイメージを保っていますが、昨今、球団のホームグラウンドやチームカラーなどに、マツダの存在が見え隠れしています。両者の関係やあの「赤」について、当事者に話を聞きました。
カープとマツダ、その関係は「つかず離れず」?
22年ぶりとなるプロ野球「日本シリーズ」に挑んだ、2016年の広島東洋カープ。惜しくも日本一は逃したものの、ファンにとっては忘れられないシーズンになったことでしょう。
ところで、チーム名に含まれる「東洋」の文字、その意味するところは意外と知られていないかもしれません。実は「東洋工業」という、とある企業の旧社名に由来しています。その会社の現在の名は「マツダ」。広島県に本拠を構え、「ロータリーエンジン」や「ロードスター」などで知られる自動車メーカーの、あの「マツダ」です。
実はマツダは、球団の運営会社である「株式会社広島東洋カープ」の株を3分の1ほど所有しています。しかし、会社組織としては「非連結子会社」という、いうなれば「身内ではあるけれど、家もお財布も別」という関係です。球団名に「マツダ」と入っていないことに象徴されるように、マツダは球団経営にも積極的な関与はしておらず、なんだか他人のフリをしているように見えてしまうかもしれません。
その一方で、広島東洋カープのホームグラウンドは「MAZDA Zoom-Zoom(マツダ ズーム・ズーム)スタジアム広島」(広島市南区)を名乗っており、そしてあの「赤ヘル」も、最近のマツダ車の「赤」も、「ソウルレッドプレミアムメタリック」という色だといいます。
マツダと広島東洋カープ。両者のこの、つかず離れずのような関係はいったいなんなのでしょうか。