マツダの「ロータリーエンジン」11年ぶりに復活! 2023年3月までに新型車投入を社長明言! どんなモデルで登場?
乗用車だけじゃない!? ロータリーエンジンを搭載した意外なモデルも
マツダのロータリーエンジンの歴史を簡単に振り返ってみましょう。
マツダ百年史・正史編によると、1959年12月にドイツのNSU社(およびバンケル社)がロータリーエンジンの開発に成功したと発表したことで、その存在が世界に知れ渡りました。
これを受けて、当時の東洋工業(現マツダ)がロータリーエンジンに関する調査を開始。1960年9月から10月にかけて東洋工業関係者がドイツでNSU社との技術提携交渉に着手して仮契約し、正式契約は1961年2月27日でした。
ところが、実用化に向けた研究開発でローターハウジングの内側の壁に金属が接触することで生じる、チャターマークが大きな課題となります。
そのほか、低回転域でのパワーとトルク不足や振動など課題が山積するなかで、マツダは当時のさまざまな新技術を模索しながら地道な研究を積み重ね、NSU社との正式契約から6年後の1967年5月30日、「コスモスポーツ」が降臨するに至ります。
搭載エンジンは、単室容積491ccの2ロータータイプ「10A」型で、1972年までに1176台が生産されました。
その後、1968年7月に「ファミリアロータリークーペ」、1969年10月にはローター径を拡大して単室容積655ccにした「13A」型を搭載した「ルーチェロータリークーペ」、1970年5月には「12A」型搭載の「カペラロータリークーペ/セダン」、1973年には「13B」型搭載の「ルーチェグランツーリスモ」、1978年3月登場の「RX-7(日本名:サバンナRX-7)」では1983年に12Aターボ搭載、そして1990年4月には「ユーノスコスモ」に初の3ローター式となる「20B」型が登場しています。
また、商用車では1974年に13B型搭載の小型バス「パークウェイロータリー26スーパーデラックス」も発売されました。
そのほか、モータースポーツの世界では4ローター「R26B」型搭載のプロトタイプレーシングカー「787B」が、1991年ルマン24時間レースで日本車初となる総合優勝の快挙を成し遂げています。
レンジエクステンダーについては2013年12月、「デミオEV」に単室容積330ccで1ローターのロータリーエンジンを発電機として使う試作車を公開。当時、筆者(桃田健史)は横浜市内のマツダ敷地内で同車を試走していますが、ロータリーエンジンがとても静かだったことを記憶しています。
その後、2015年東京モーターショーでは、ロータリースポーツコンセプト「RX-VISION」が公開され、その心臓部にSKYACTIV-Rを採用したことが大きな話題となりました。
結局、同車の量産計画の話はマツダ周辺から聞こえなくなり、その代わりに2020年5月にゲームソフト「グランツーリスモSPORT」(PlayStation4)上で「RX-VISION GT3 CONCEPT」として登場するにとどまっている状況です。
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マツダは2022年11月、「中期経営計画アップデートおよび2030経営方針説明会」をおこない、電動化について、フェイズ1(2022年から2024年)では「電動化時代に向けた開発強化」、フェイズ2(2025年から2027年)に「電動化へのトランジション」、そしてフェイズ3(2028年から2030年)を「バッテリーEV本格導入」と位置付けました。
こうした電動化の歩みのなかで、マツダが独自でおこなう電動化とトヨタとの技術連携という大きく2本立ての戦略を構えています。
そのうえで、MX-30 EV以外にもロータリーエンジンを使ったレンジエクステンダーの活躍の場が当然拡がるのではないでしょうか。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
サバンナ(RX-3)が抜けてる
ロードぺーサーも入っていないです。純粋なマツダ車かどうかは別として、ロータリー搭載車ですよね。
ロータリーエンジン復活嬉しいのですが、12Aのオーバーホール部品を是非出して欲しいです。