雪でクルマが立往生!? 寒い車内で「キャンプグッズ」が役に立つ! 災害時に本当に必要なアイテムとは

ずっと運転席に座っているべきか?

 次に必要なのは電気で、電源となるポータブルバッテリーがあると便利です。

 オートキャンプや車中泊向けとして、近年は電池容量が大きくても比較的価格を抑えた商品がいろいろ出てきています。

 これは、スマートフォンの充電用として移動中のカバンなどに携帯できる電池容量が少ないポータブルバッテリーと比べると大きく重いのですが、事前に大雪が予想される状況での移動時には、ある程度大きなサイズのポータブルバッテリーを積むことで心の余裕につながると思います。

立ち往生の際はキャンプグッズが役に立つ
立ち往生の際はキャンプグッズが役に立つ

 ある程度の大きな電池容量があるポータブルバッテリーがあれば、電気毛布やスマートフォンの充電など電力が消費が多い電気製品を長時間使用することができます。

 また、かなり大きな電池容量があるポータブルバッテリーであれば、電力が500W前後の電気ポットを使って車内で暖かい飲み物や食べ物をとることも可能です。

 さらには、超長時間のクルマの立往生になれば、日中の天候が一時的に回復し、青空がのぞくことも考えられ、そうなればポータブルの太陽光パネルが強い味方になります。ただし、太陽光パネルはかなりのサイズがないと発電量が少ないため災害時での実用性に欠けるかもしれません。

 それから、キャンプで使うLEDライトも役立ちます。車内灯は比較的暗いですが、LEDライトは明るさがあることはもちろん、温かみのある色にも変えることができるので、車内で不安な夜を過ごす際に気持ちが落ち着くでしょう。最近はホームセンターや100円ショップなどで、安価でも性能の高いLEDライトを購入することができます。

 各種グッズの使用について、オートキャンプや車中泊で実際に使うことはもちろんのこと、例えば自宅での「もしもの場合」を頭の片隅において、家族や個人で防災訓練をすることも必要かもしれません。

 超長時間のクルマの立往生でもうひとつ重要なのが、運転席に座り続けるかどうかという点ではないでしょうか。

 移動空間としてクルマ場合、運転者は運転の義務を負うため、渋滞中でも運転席に着座することが必要です。

 しかし、立往生している区間が通行止めになったり、また自衛隊が出動するような災害になって立往生が超長時間におよぶ場合、クルマは臨時の居住空間に変わります。

 その場合、運転席以外の席に座る、または身体を横にすることで、肉体的および精神的なプレッシャーを減らすことができるでしょう。

※ ※ ※

 立ち往生したときの対応については、現状では法的な解釈を含めて不明瞭な点が少なくないように思われます。

 そのため、道路交通法の解釈や、災害時への対応という観点で、警察庁や国土交通省などがガイドラインを作成したり、都道府県の警察本部が広報活動をおこなうことも考慮されるべきではないでしょうか。

 いずれにしても、冬場の移動では、気象情報を十分に収集したうえで、状況が悪化することが予測される場合の不要不急の外出は避けるべきです。

 そして、やむを得ずクルマで外出したり、業務をおこなう必要がある場合は、万が一に備えて準備しておくことはいうまでもありません。

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Writer: 桃田健史

ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。

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1件のコメント

  1. 故意に車高を下げている車は積雪が10cmになったら走らないほうが良いですね。バンパーで雪を押すし車体下に雪が入り込んで亀になった挙げ句、スコップも入りません。氷に成った轍に乗り上げようものなら渋滞の先頭になること請け合いです。

    たまに、用途のために車を選ぶ人は少ないという記事を他所で見かけるのですが、逆にどのような用途やシーンでも活躍できるかを考えて車を選んだほうが良いという記事は増えて欲しいです。
    格好つけて、逆にスタックしたら格好悪いこと此の上無いですからね。最近ではオフロード仕様としての車高上げが流行っています。冠水には多少のアドバンテージがありますが、積雪だと最低地上高そのものがモノを言います。当然、4WDは選んだほうが良いですし、積雪○メーターとニュースで聞くような地域に行くならタイヤチェーンがあるのと無いのとでは大違いです。
    また、車の仕様(性能)を過信しても駄目ですね。ATだと嵌った時にギアチェンジで前後に揺らして脱出する手法が難しいので、ランクルでもジムニーでも埋まるときは埋まります。ランクルのときは前に動かしてブレーキ。雪を詰める。後ろに動かしてブレーキ。前に雪を詰めるを十数回繰り返して空転しているタイヤを浮かせましたが、一番重要なのは車の性能もそうですが、運転センスでしょうね。空転しているのに無理に繰り返すと圧雪を掘り続けて自ら動けなくなる原因を作ってしまうドライバーも居ましたから。

    特に冬の道路では夏の何十倍も安全マージンを考えて運転しないといけないので、自分の車が何をできるか。どこまで対応できるか。履いているタイヤの性能(限界)まで熟知しておく方が安心です。前後や対向車が居ない時に凍結路面や圧雪路面でフルブレーキを試している人は居ますか?。いざという時にどれほど効くか。逆にどれほど効かないのか知っておかないと、何でもかんでも急ブレーキやABS。衝突安全性能に頼ってると加害者になります。

    あと、記事中に寝袋とありますが、冬用のポリエステル綿のものは嵩張りますが4千円程度で結構大きいものが買えます。ダウンは高いですが、収納時はコンパクトです。それだけでは不十分なので貼るカイロは1箱(30個入で千円以下)くらい積んでおくと更に安心です。

    運転席というか、座席に座った姿勢のまま数時間過ごすと下半身の血流が悪くなりエコノミー症候群(流れない血液が凝固し血栓ができて、それが心臓や脳で血流を阻害する。最悪の場合、死に至る)になるので、1~2時間間隔など時々で良いので外に出て車の周りの雪を片付けるついでに屈伸と背伸びを繰り返しましょう。エンジンをかけている時は特にマフラー付近。よく開けるドアの周りは重点的に。

    吹雪で視界ゼロのときは無理をしない。道路に停めるにしても場所を考えないと車が突っ込んできます。自分が見える見えないよりも、他人から自分に気づいて貰うような方法を取らないと危険です。最徐行でハザードを炊いて退避するなり、後ろに灯りが見えたらポンピングブレーキでこちらの存在を知らせるなどしましょう。

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