商用「1BOXバン」にEV再生電池システムは「車中泊にもアリ」! 東京オートサロン出展「キャラバン」が示す「可能性」とは
日産は2023年1月開催の東京オートサロン2023にて、EV「リーフ」の再生バッテリーを活用した「キャラバン」のコンセプトカーを出展します。キャンプや車中泊シーンでも大きな戦力となりそうな「キャラバン Powered Base for PRO」について紹介します。
EV「リーフ」から再生利用するリチウムイオン電池が「車中泊」にも活きる!?
日産は、2023年1月13日から15日に開催されるカスタムカーイベント「東京オートサロン2023」に、商用バン「キャラバン」に、EV(電気自動車)「リーフ」再生バッテリーを積んだポータブル電源を4つ積んだコンセプトカー「Powered Base for PRO」を出展します。
リチウムイオンバッテリーの電力をベース基地として活用するものですが、これはキャンピングカーの「車中泊」シーンにおいても有効な電力確保の手法に映ります。
東京オートサロン2023での公開に先駆け、キャラバンのコンセプトカーPowered Base for PROについて、日産は次のように説明します。
「電気自動車リーフの再生バッテリーを活用したポータブル電源をキャラバンに4つ搭載し、様々な現場でプロ(PRO)の活躍をサポートする基地(Powered Base)を提案します。
クルマには太陽光パネルも装備し、大容量の電力が供給可能です。
電動工具の充電も、車内での快適な休憩も全てポータブル電源がサポートします」
発表されたコンセプトカーの屋根には、全長いっぱいの長さの脚立(ハシゴ)とともに、大型の太陽光パネルが載っている様子が映っています。
工事現場など、屋外の作業スペースでのベース基地として活躍を想定したモデルで、再生バッテリーを活用したポータブル電源4台が重要な柱となります。
その詳細はまだ明らかにされていませんが、2022年4月に、日産と、ポータブル電源の豊富な販売実績を持つJVCケンウッド、そして再生バッテリーを扱うフォーアールエナジーの3社が試作品を発表したポータブル電源とみられます。
フォーアールエナジーは日産と住友商事の出資により2010年に設立された企業で、リーフなど車載用リチウムイオンバッテリーの2次利用に向けた取り組みをおこなっています。
これはEVの爆発的な普及に向けたバッテリー材料の高騰や、環境課題などを解消する有効な手立てだと注目されています。
また通常のモバイルバッテリーに比べ非常に厳しい基準で製造され、しかも高い耐久性を求められる車載バッテリーは、クルマでの用途を解かれたあとも、ポータブル電源の用途ならば十分に再使用が可能なキャパシティを残しているといわれています。
すでに59万台以上が世界に販売され、今後リサイクル品も大量に発生するであろうリーフのバッテリーだけに、屋外などで活用する大容量のポータブル電源への採用は、価格面も含め動向が注目されます。
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日産の関連会社でカスタムカーなどを手がける日産モータースポーツ&カスタマイズは、キャラバンの広大な荷室空間を利用しベッドを車載した車中泊仕様のカスタムモデル「キャラバン マルチベッド」を発売中です。
ベッドは折りたたみ式なので、自転車や釣り道具、キャンプ用品といったアウトドアレジャー用の大きなツールも積むことができるという、キャラバンの大きなキャパシティを最大限有効活用できるモデルです。
もし前出のコンセプトカーの太陽光パネルとポータブル電源を組み合わせた充電システムが、このキャラバン マルチベッドにも搭載できれば、さらに最強の車中泊カーとなりそうです。
エンジンを止めている最中の信頼できる電源として、オーディオや電気毛布、調理器具といったさまざまな電化製品が活用できれば、キャンプや車中泊で大活躍するのは間違いありません。
一刻も早い製品化が期待されるところです。
夏の車中泊の最大の問題は暑さ、電動エアコンで、それを一晩まかなえるぐらいのバッテリーって無いのかな?