なぜ「ガソリンスタンド」の屋根は平ら? 積雪時の雪かきどうなる? 全国各地で平型式が多い理由とは
雪が降っても大丈夫?雪かきをしているの?
では、平らな屋根にすることにより雪は積もりやすくならないのでしょうか。
また雪が積もった場合、どのように雪おろしをおこなうのでしょうか。
前出の担当者は、ガソリンスタンドの平らなキャノピーでの積雪について、以下のように話します。
「雪は太陽光で自然に溶けるような設計にしています。
そのため、基本的に雪が降っても積もっても問題なく、雪かきをする必要もありません」
北海道や東北地方といった雪が多い地域では、融雪用のヒーターを内蔵しているキャノピーもあるようです。
ガソリンスタンドのキャノピーは、建築基準法により一定の積雪までは耐えられるように造られており、雪が深く積もった場合のみ従業員が屋根に上って雪下ろしをすることもあるといいます。
さらに平らにすることで雨や雪が屋根の周りに落ちることがなく、つららができにくいというメリットもあります。
また厳密にいえば屋根は平らのように見えても上の面は緩やかな傾斜がかかっており、雨や雪が降ってもある程度なら問題のないように造られているようです。
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そもそもガソリンスタンドの屋根の形状は平らにするよう規則が定められているわけではありません。
建築素材や面積、耐火基準などに関しては規則が定められていますが、屋根の形状については制限がないといいます。
そのため、実際にアーチ型や三角屋根のガソリンスタンドもあり、1970年代にはドーム型の屋根が流行っていたようです。
しかし、その後、老朽化により姿を消し、建築コストが高くつくドーム型は新たに建築されることが減り、あまり見かけなくなってきたとされています。
実際の天面は本当に「たいら」なものは少なく(全くないわけでは無い)、鉄骨丸見えで下面が平面形状の物や、型鋼(大きい凸凹の形を成した鉄板)の物が多い様です。