なぜ北海道の“一般道”から固定式オービス消滅!? 神出鬼没な「移動式オービス」へ移行か? 北海道の速度取締事情とは
2022年12月現在で北海道の一般道からすべての固定式オービス(自動速度取締り装置)が姿を消してしまったようです。2018年当時で77箇所もありましたが、なぜ消滅してしまったのでしょうか。
北海道の一般道から固定式オービス一掃…なぜなのか
北海道には2018年当時で77箇所もの固定式オービス(自動速度取締り装置)が設置されていました。それが毎年徐々に数を減らし、近年は撤去のペースが上がっていましたが、一気に撤去が進み、ついに北海道からほとんどすべての固定式オービスが撤去されてしまったようです。
2021年末には2018年当時で77箇所から35箇所までに減っていた北海道の固定式オービスですが、筆者オービスガイド 大須賀克巳は今年2022年7月の調査で9箇所の撤去を確認し、11月の調査で残りの25箇所が撤去されたことを確認。これで完全に北海道の“一般道”から固定式オービスが消滅したことになります。
なお高速道路には道央自動車道に最後の固定式オービスが1箇所存在します。設置場所は下り方面の江別東ICと岩見沢ICの間にあります。こちらは一般道のオービスとは異なるタイプなので当分撤去されないと推察されます。
オービスは速度違反を自動的に取り締まる機器ですが、特に北海道のような広大な土地に永遠と続く直線道路が整備されている地域では、速度抑止の効果は大きかったと思われます。
北海道に設置されていた固定式オービスのほぼ全てが、白色の四角いレーダーアンテナが特徴のHシステムと呼ばれるタイプでした。
このHシステムの製造メーカーは三菱電機ですが、すでに製造もメンテナンス期間も終了しているため、部品共有や保守管理が難しい状況だったと思われます。また、電波法の改正により「新スプリアス発射強度の許容値」に適さない無線局となったことも撤去理由のようです。
さらに、固定式オービスは位置を覚えられると効果は低くなります。情報網が発達した最近では、様々なデバイスやサービスにより、地元以外のドライバーにも位置が把握され、固定式オービスは時代に合わない機器になりつつあるという背景もあるのかもしれません。
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もしかしたら、固定式オービスが無くなり安心して走れると考えるドライバーもいるかもしれませんが、今後は今までとは比較にならないくらい速度の出しすぎには注意する必要があります。
それは「移動式オービス」の存在があるからです。
筆者オービスガイド 大須賀克巳がオービス調査中にも、道内の各地で「移動式オービス取締り強化中」の文字が電光式の道路情報板に昼夜問わず表示されていました。
特に高速道路で多く見かけましたが、道警の本気度が伺えます。今は予告期間のような時期で、本格的な運用はこれから始まると予想します。
既に道内の一般道では連日のように移動式オービスの目撃情報がSNSなどに書き込まれていますし、道央自動車道や札幌自動車道のPAや道路管理用のスペースに設置されることもありました。それが今後は設置場所が多彩になり、頻度も多くなると思われます。
道警が導入した移動式オービスは、スウェーデンのSensys Gatso Group社製で、MSSSという製品でレーダーにより速度を計測します。
他の都府県で多く導入されているレーザー計測の移動式オービス(LSM-300やLSM-310)に対してはカー用品などで販売されているレーダー&レーザー探知機が有効に機能しますが、私オービスガイド 大須賀克巳の知る限りではMSSSを実用的に探知できる探知機は現時点では販売されていません。
このMSSSは探知が難しいだけでなく、筐体が黒色でコンパクトなため、手前から目視で発見することは難しく、それが夜間になると発見は不可能に近くなりますが、今のところ道内では、「速度違反取締中」などの予告看板を設置して運用しています。
そもそもオービスガイドだの,オービス検知器だのが重宝されることがおかしい。それは「速度違反」することが前提の考え方であり,道路交通法を守ろうとする意識が皆無だから。本来,例えば60km制限のところは60km以下を厳守すべきで,「オービスがないから速度出してもOK」ではない。
11月の調査っていつ行われたんですか?(日にち)