バブル期のワゴンブームをけん引! 大ヒットのスバル「レガシィツーリングワゴン」は何がスゴかった?
最後のツーリングワゴンが大型化した理由とは?
3代目のレガシィツーリングワゴンはセダン(レガシィ B4)より半年ほど早い1998年6月に登場しました。
2代目同様5ナンバーサイズを維持しましたが、それまで一部のグレードに設定のあった2WD(FF)モデルを廃止し、4WD専用のモデルとなっています。
また、1.8リッターエンジンもラインナップから外れ、2リッターおよび2.5リッターの自然吸気と、280馬力を誇る2リッターターボの3本立てでスタート。2002年にはレガシィ初の水平対向6気筒となる3リッター自然吸気エンジンが追加されました。
前後ストラット式だったサスペンションはリアがマルチリンク式に改められ、操縦安定性とスペース効率を向上。
安全性を高めたり、HIDヘッドライトやマッキントッシュ製オーディオを設定するなど、全体としてプレミアム感を増しているのが特徴です。
年々高まる安全性への要求に応えるため、2003年のフルモデルチェンジでは、初代から守ってきた5ナンバーサイズに決別。4代目モデルは全幅1730mm(3代目より35mm拡大)という、堂々の3ナンバーで登場しました。
徹底した軽量化により運動性能を向上させたり、ステアリングの切れ角を拡大することで最小回転半径を3代目より小さく、取り回しやすくするなど、ボディサイズ拡大のデメリットを感じさせないのが特徴です。
エンジンラインナップは3代目と変わらず、自然吸気は水平対向4気筒の2リッターと2.5リッター、6気筒の3リッター。2リッターターボはツインターボから低回転域でのレスポンスとパワーに優れるシングルのツインスクロールターボへと改められました。
内外装の質感の向上や一部の上級グレードでのATの5段化、運転支援システム「EyeSight(アイサイト)」やその前身となる機能を与えたグレードがワゴンにも設定されるなど、これまでのレガシィよりひとクラス上のクルマといった印象です。
2009年に登場した5代目モデルは、北米市場をにらみボディを大幅に拡大。全幅は1780mmに達し、全長も4775mmと、共に5ナンバーの規格サイズを超えています。
エンジンは2リッターを廃止し、2.5リッターの自然吸気ならびにターボのみをラインナップ。完全な3ナンバー車へ移行したことに対し否定的な意見も多々ありましたが、居住空間や荷室容量にゆとりがあり、アウトドアブームの昨今あらためて評価されています。
メカニズムではCVT「リニアトロニック」の初採用と第2世代のアイサイト(2010年5月以降)の設定がトピック。後期型ではターボモデルのみ2リッター仕様が復活しましたが、これは「EJ型」ではなく初代「BRZ」にも搭載された「FA型」を進化させた直噴ツインスクロールターボで、最高出力は300馬力に達します。
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レガシィは現在7代目が北米で販売されていますが、日本ではもはやセダンもワゴンも存在せず、クロスオーバーSUVの「レガシィ アウトバック」のみのラインナップとなっています。
最近は、人を乗せるならミニバン、荷物を載せるならSUVと世の趣味嗜好が移り変わっていったこともあり、ワゴンブームを生み出したレガシィでさえも6代目からはワゴンの設定がなく、ワゴンは「レヴォーグ」へと受け継がれました。
とはいえ、レガシィツーリングワゴンが残した功績は決して色あせることはありません。今見ても魅力的なモデルばかりということもあり、今後また人気が再燃し中古車相場が高騰する可能性は意外と高いのではないでしょうか。
レガシィが人気だったのは、デザインの良さと使い勝手。
そして、ハイパワー四駆だったから。
後出しジャンケンメーカーも太刀打ちできないほどの人気でしたが、自らアメリカ一本足打法に舵を切ったレガシィはスバルユーザーさえそっぽを向くブサイクデザイン。
慌ててレヴォーグを作ったくらいですから。
スバルに限らず日本を見捨てて海外輸出中心になった結果、デカくなった儲からない軽自動車が大躍進すると言う皮肉な結果に。