高速道路「一部最高時速120km化」から2年 事故・違反件数は変化した? 「走りやすくなった」訳とは
「不安の声」も受け、段階的な制限速度アップを実施
同様に、最高速度を120km/hに引き上げたことによる影響について、岩手県警の担当者は以下のように話します。
「結論からいうと、120km/hに引き上げたからといって事故や違反による取り締まり件数が増加したということはありません。もし120km/hに引き上げたことにより、速度超過などが頻発した場合は、抑制するための活動をおこないます」
前出の担当者によると、この120km/h制限を施行する前は、さまざまなユーザーから「もし速度制限を引き上げたら、みんなが速度をあげて走行してしまい、事故も増えるのではないか」といった不安の声も寄せられていたと言います。
しかし、その声を受けて、静岡県や岩手県では2017年から約3年にもわたり、110km/h、120km/hと、段階的に施行してきたうえで、安全だと判断したため120km/hに引き上げています。
また、その間もユーザーに啓発をおこなったりと、さまざまな試行錯誤を重ねた結果、引き上げても事故件数が増加することはないことを証明したため、運用が開始されています。
ちなみに、静岡県や岩手県での120km/hの引き上げは国内初の運用となっていますが、これを皮切りに、前述した通り、2022年10月には埼玉県や栃木県などで120km/h速度制限を運用したりと、さまざまな区間で120km/hの運用が増加しています。
このようにさまざまな区間で120km/hに引き上げられている実情からも、最高速度が引き上げられることによって事故が増加するというわけではないといえます。
そのため、あくまで、『120km/hまでの範囲で走行することができる』という制限のため、120km/hで走行する必要は当然ありません。
十分な車間距離を保ち、進路変更する際は安全確認を確実におこなうとともに、交通状況に応じた安全な速度で走行する意識が必要です。
※ ※ ※
最高速度が引き上げられたとしても、運転する際は十分な車間距離をとり、よく確認して安全運転を心がけることが重要です。
そもそも日本の高速道路とドイツのアウトバーンで事故率はほぼ変わらないです