新型車の「ドヤ顔化」「オラ顔化」が止まらない!? 大型グリルブームが続く2つの理由とは
BMWが直面する「グリル大型化問題」が深刻だ
グリルの巨大化に関して、ニューモデルが登場するたびに話題になるのがドイツのBMWでしょう。
というのも、BMWのアイコンである「キドニーグリル」が、年々着実に巨大化しているためです。
この傾向は、超高性能スポーツモデルの「M3」「M4」、高級SUV「X7」、最新のフラッグシップモデル「7シリーズ」などで顕著になりました。
さらにピュアEV(BEV)で大きな冷却グリルが必要ないはずの「iX」や「XM」でも踏襲されており、むしろ、エンジンを持つクルマよりもグリルの存在感があるほど。
この「BMWのグリル大型化問題」について、国産メーカーの現役カーデザイナー A氏は、このように感想を語りました。
「私は昔からBMWのデザインが好きでした。対抗するメルセデス・ベンツのような押し出しが強くなく、スリムで知的。品の良いところが本来のBMWのカッコ良さだと思っています。
でも、最近のやたらと力強さと奇抜さを狙うBMWは残念。その象徴が、鼻の穴が巨大化したようなキドニーグリルにあります。
往年のような、繊細でシュッとしたBMWに戻って欲しいと思うのは僕だけでは無いと思います」
一方で、これは筆者(遠藤イヅル)の主観なのですが、最新のBMWでは、特徴的だった彫りの深いキャラクターラインをサイドのディテールから消しているほか、全体のフォルム自体はシンプルになりつつもあることから、グリルの大型化は、評価が別れるのを承知で、個性の強いモデルにはあえて強いデザインを与える戦略を取ったのでは、と想像しています。
量販車種においても、2021年以降に相次いで行われた「X3」「X4」、「X1」「3シリーズ」のマイナーチェンジで見られるようにグリルの強調化が進んでおり、今後は、すべてのラインナップに波及するのかもしれません。
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