新型車の「ドヤ顔化」「オラ顔化」が止まらない!? 大型グリルブームが続く2つの理由とは
一方でグリルの巨大化は「古き良きクルマの伝統」の名残りでもある
さらに、また別の国産メーカーに勤めるデザイナー C氏に、なぜグリルの巨大化が進んでいるのかを聞いてみたところ、もうひとつの視点で回答をもらうことができました。
「グリルの巨大化は、性能競争が活発に行われてきた時代から脈々と続いてきた、吸気や冷却性能のアピールがいまも延長されているのではないでしょうか。
つまり、古式ゆかしきクルマの性能のルーツ、そこからつながっていく高性能や高級といった記号性の名残りでないかと考えます。
どのクルマも同じように見えるところを、グリルで踏ん張っているのではないかという訳です。
クルマの前史である馬車文化を引き継ぎ、いまだに木目パネルが珍重され続けていることと、根は同じなのかもしれません」
このようにC氏は、巨大グリルは100数十年に及ぶ自動車発展の歴史の名残りではないか、と分析しています。
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クルマの設計要件が厳しくなり、どのメーカーも同じようなスタイルになってしまう現代において、外観デザインのどこかに差をつける必要があります。
そこで採用された「ドヤ顔」は、立派なグリルを持つクルマは高性能・高級だった、という伝統や文化もあり、多くのユーザーの購買意欲を掴み、世界的な潮流として成功しました。
そのため、わかりやすくメーカーの個性を出すことが可能な「巨大な顔のクルマ」は、サイズの大小に関わらず、今後も廃れることなく登場し続けるのではないかと思います。
ただし、顔の巨大化を好まないユーザーがいることも忘れてはいけません。
ユーザー側の希望としては、新型「ホンダ ステップワゴン AIR」のように、シンプルなデザインのクルマも同時に用意して欲しいと願っています。
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