タクシーに「ハリアー」「アルファード」!? セダン車が減り「変わり種タクシー」がOKになった理由とは
タフで長持ちな「タクシー専用車」の優位性が失われてきた!?
ではなぜ、基準が廃止されたのでしょうか。
国土交通省の発表によれば「近年、車両の安全性の向上や運行面の安全対策が進んでいること、自家用自動車を用いて旅客を運送する自家用有償運送においても車両の安全上の問題が無いこと、その多くは国際的にも日本特有の規制であること」とあります。
この内容についての具体的な事例を、タクシーメーターやドライブレコーダー・LED表示器の販売・取り付けを行うフタバシステム株式会社の松田 隆氏に聞いてみました。
「まず、クルマ全体の性能が向上したことがあげられます。
かつてクルマ全体の性能が低く装備も少なかった時代では、旅客を乗せて走るタクシー用のクルマは、独自の設計が施され、安全性が高く作られていました。
例えば、1970年代では後席ヘッドレストを持たないクルマが多いなか、タクシーはきちんと備えていました。
現在ではどんなクルマでも安全性は十分に確保されているので、一般車との差がなくなり、タクシー専用車を作り分ける必要がなくなったのです。
そのほか、トヨタを除くと各メーカーともタクシー専用車を開発するメリットが薄くなったこと、タクシー専用セダンの生産自体も終了していること、セダンを選びたくても車種が減少していることなどもあげられます」
さらに松田氏に「ミニバンのタクシーは乗降性に優れているが、地上高の高いSUVではメリットがあるのかどうか?」という素朴な疑問も尋ねてみました。
「正直なところ、タクシーとしての乗降性はあまりよくありません。大きく足をあげないと、乗車が難しいからです。
しかしSUVは車内が広く積載性も高く、操縦性が良いというメリットもあります。
SUVを使う個人タクシーオーナーは、実用性や運転の楽しさという好みで、SUVを選んでいる場合が多いのではないでしょうか」
街の景色を彩るタクシー。今後も変わり種の車両がまだまだたくさん登場するかもしれません。
Writer: 遠藤イヅル
1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター・ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持ち、コピックマーカーで描くアナログイラスト、実用車や商用車・中古車、知られざるクルマの記事を得意とする。
その馴染みのセダンタイプ最悪の仕様は4WDじゃなくてFRだってこと。今はミニバンやらプリウスのタクシーが増えてきたけど、まだまだセダンのFRが多い。雪国じゃあんなの怖くて乗車したくないんだよね。