ド迫力な新型「高級SUV」9月15日発売! デザイン&走りで「欧州SUV」に迫れる? 待望の豪華内装備えたマツダ新型「CX-60」の出来栄えは?
新型CX-60の気になるポイントはどこ?
ところでこの新型CX-60のマイルドハイブリッドにモーター走行感があるかといえば、それは感じられませんでした。
モーター走行はごく低速時(発進時はエンジンが始動する)、もしくはアクセルオフ時などのコースティング状態に限られ、ドライバビリティにおいてハイブリッドを感じさせることはありません。
多くのマイルドハイブリッドカーがそうであるように、モーターはあくまで存在を主張することなく、燃費向上のための縁の下の力持ちに徹しているというわけです。
話題のトルコンレス8速ATは、DCTのようなダイレクト感を持ちつつ、神経を尖らせてもギクシャクする感じはほぼありませんでした(それは普通に運転していたら感じないレベルです)。クリープもあり、一般的なトルコンATと同じ感覚で乗れます。
いっぽうで、試乗して「気になるポイント」もありました。それは乗り心地に関するもの。
サスペンションの動きに少し渋さがあり、路面が荒れた場所を走ると突き上げ感を強く感じます。
試乗車の走行距離が少なくてダンパーなどが馴染んでいないのかと思ったら、オドメーターは2500キロ以上を刻んでいたのでそういう訳でもなさそうでした。
ただし、入力があっても揺れをしっかりと減衰し、ボディの振動を一発で抑える特性は見事。
ポテンシャルはきわめて高いので、あとは入力の“カド”さえ取れれば相当いい味付けになりそうです。
もしかすると、さらにサスペンションの動きが馴染んだり、タイヤの空気圧の微調整などで突き上げ感は緩和されるかもしれません。
昨今のマツダは欧州車のようにマメに改良をおこなうことで、目に見えないフィーリングも含めて商品をどんどん熟成させ完成度を高めることを得意とします。
新型CX-60の乗り心地に関しても、どんどん手を入れて“いいクルマ”になっていくことでしょう。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。
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